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Ann Intern Med誌から
血圧値は5~6回測定した平均値で判定を
80%の精度で正しく判定するには10回以上の測定が必要

2011/07/11
山川 里香=医学記者

 外来、家庭、研究室での血圧測定回数(いずれも収縮期血圧)と、真の血圧との一致度を評価したところ、測定場所にかかわらず5~6回測定の平均値を用いれば、対象者の血圧コントロールの状態をほぼ正確に判断できることが判明した。この結果は、Ann Intern Med誌6月21日号に掲載された。

 高血圧の診断に用いるべき血圧測定の場所、タイミング、測定回数に関しては、いまだ意見が一致していない。これまでの研究で推奨された測定回数は、5~30回以上と様々だ。また、米国高血圧学会と欧州高血圧学会が発表した最近のposition statementsでは、家庭血圧の一層の活用や臨床的判断を下す際は家庭血圧を12回以上測定することを推奨している。

 著者は今回、ランダム化比較試験であるHINTS(Hypertension Intervention Nurse Telemedicine Study)のデータを用いて2次解析を行った。

 対象者は、Durham Veterans Affairs Medical Center(ノースカロライナ州)系列の診療所の患者である退役軍人で、降圧薬を投与されていたが、外来血圧の平均値が140/90mmHg超とコントロール不良だった444人。平均64歳、92%が男性、約半数が黒人、75%が10年以上の高血圧の病歴を有していた。

 除外基準は、透析患者、血中クレアチニン濃度が221μmol/L(2.5mg/dL)以上、臓器移植を受けた者、連絡時点から3カ月以内に脳卒中、心筋梗塞、冠動脈血行再建術により入院していた者、転移性癌または認知症などとした。

 追跡期間は18カ月間で、対象者の収縮期血圧(以下、血圧と表記)を、外来、研究室、家庭で測定し、11万1181回分(研究室血圧3218回分、外来血圧7121回分、家庭血圧10万842回分)の測定値を得た(外来では熟練した看護師が、家庭血圧は対象者本人が指導を受けた上で測定)。

 最初の30日間に血圧コントロール良好(外来血圧または研究室血圧の場合は140mmHg未満、家庭血圧の場合は135mmHg未満)だった対象者の割合は、外来血圧で判定すると28%、家庭血圧で判定すると47%、研究室血圧では68%だった。3種の測定法全てで評価が一致していた被験者は33%に過ぎなかった。

 外来血圧平均値と家庭血圧平均値は大幅に異なっていた。対象者の51.6%で、外来血圧平均値は、家庭血圧平均値を10mmHg以上、上回っていた。また、対象者の5%では、外来血圧平均値が、家庭血圧平均値を10mmHg以上、下回っていた。
 

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