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Circulation誌から
2型糖尿病患者の降圧目標は130~135mmHgが妥当
130mmHg以下の降圧で脳卒中は減少するも重篤な有害事象が増加

2011/06/17
西村 多寿子=東京大学

 2型糖尿病患者や耐糖能異常者を対象とした13件のランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を行ったところ、収縮期血圧(SBP)135mmHg以下の厳格血圧管理は総死亡と脳卒中を抑制するが、さらに130mmHgを下回る降圧では脳卒中以外のアウトカムは改善せず、逆に重篤な有害事象が増加した。この結果は5月31日、Circulation誌オンライン版に掲載された。

 高血圧治療ガイドラインの多くは、降圧目標として140/90mmHg未満を推奨し、糖尿病患者には、より積極的な降圧を求めている。だが、ACCORD試験では120mmHg以下への厳格な降圧により心血管リスクが減少しなかったこともあり、糖尿病患者に対する至適降圧目標は定まっているとは言い難い。

 そこで米国ニューヨーク大学を中心とする研究チームは、従来型のRCTのメタ解析とベイズ統計のランダム効果モデルを用いた解析を行った。厳格血圧管理と標準血圧管理を比較し、さらに厳格管理を行った集団を2群(130mmHg以下群 vs. 130mmHg超~135mmHg以下群)に分けて検討した。

 最初に、検索語を「diabetes」 と「diabetes mellitus」 とし、1965年~2010年10月に、PubMed、EMBASE、CENTRALに掲載されたRCTを言語の制約を設けずに抽出した。

 本研究への組み入れ基準は、(1)2型糖尿病または空腹時血糖異常/耐糖能異常を有する登録者が対象、(2)1年以上の結果を報告、(3)登録者数100例以上、(4)厳格管理群の達成したSBPは135mmHg以下、(5)標準管理群の達成したSBPは140mmHg以下、(6)厳格管理群と標準管理群の血圧差は3mmHg以上、(7)大血管・小血管イベントを評価──とした。

 抽出した1330件のRCTのうち、基準を満たしたのはACCORD、ADVANCEALLHAT(New Diabetic)、DREAMなど13試験だった。これらの試験の全登録者数は3万7736例で、厳格管理群は1万9042例(50.5%)、標準管理群は1万8694例(49.5%)。平均追跡期間は4.8±1.3年だった。
 

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