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Diabetes Care誌から
糖尿病合併症はAGEsの血中濃度と関連
対象はインスリン治療歴50年以上の1型患者、血糖管理状況とは無関係

2011/05/24
難波 寛子=医師

 インスリン療法を50年以上継続している1型糖尿病患者を対象とした横断観察研究から、過去15年間の血糖コントロールは糖尿病合併症の発症に無関係であり、終末糖化産物AGEs)の特定の組み合わせが合併症の発症と強く関連していることが明らかとなった。この結果は、Diabetes Care誌4月号に掲載された。

 米国ボストン市にあるジョスリン糖尿病センターは、インスリン療法を50年継続した患者を「メダリスト」として表彰している。今回の研究では、1997~2007年に表彰されたメダリスト443例が対象の候補となり、そのうち351例が研究目的の受診を1度行った。不参加の理由は、死亡が32例、旅行不能または健康状態不良が48例、興味なしが27例、受診期間の都合が4例だった。

 全対象がジョスリンクリニックにおいて、病歴の聴取、眼科的検査、血液と尿の採取を受けた。

 検査ではHbA1c、CRP、脂質プロファイル、総血漿アポリポ蛋白A-I濃度、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)分画を含むアポリポ蛋白A-I、Cペプチドのほか、末梢血単核球から分離したRNAを用いて酸化ストレスマーカーのmRNAレベルを測定した。またAGEsとして、フルクトースリジン、カルボキシメチルリジン(CML)、カルボキシエチルリジン(CEL)、ペントシジンも測定した。

 Early Treatment Diabetic Retinopathy Study(ETDRS)分類を用いた7方向立体撮影写真により、糖尿病網膜症の重症度分類を行った。ジョスリンクリニックに通院している97例については、網膜症が進展した日付を確認した。

 腎症については2回のスポット尿でのアルブミン・クレアチニン比(ACRs)の平均で評価した。ACRsが70μg/mg Cr未満の場合、微量アルブミン尿なしとし、70μg/mg Cr以上の場合、微量アルブミン尿ありとした。

 神経症については、The Michigan Neuropathy Screening Instrument(MISI)の理学所見の部分を用いて評価した。スコア2点以上を神経症ありとした。

 冠動脈疾患、狭心症、心臓発作、心臓や足の血行再建術の既往を有するメダリストを心血管疾患ありとした。

 メダリスト351例の年齢(平均±標準偏差)は67.5±7.5歳、糖尿病歴は56.7±5.7年だった。糖尿病診断時の年齢は11.0±6.3歳で、体重指数(BMI)は26.0±5.1kg/m2、HLA DR3またはDR4を有する人が90.8%、HbA1cは7.3±1.0%、HDL-C値は1.62±0.51mmol/Lで、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値は2.22±0.63mmol/Lだった。Cペプチド値が0.13nmol/L以上だった症例は対象の6%だった。
 

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