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Hypertension誌から
NT-proBNPは高血圧患者の予後も予測
130pg/dL以上がハイリスクに

2011/04/04
難波 寛子=医師

 高血圧患者において心疾患合併の有無はリスクの層別化に重要であり、通常は心血管イベントの主要な予測因子である左室肥大(LVH)の有無により判断される。しかし、心電図による診断は感度が低く、心エコーにはコストの問題があるなど、臨床現場でのLVHの検索には限界があった。

 そこで、心不全や冠動脈疾患などにおける強力な予後予測因子である脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N末端フラグメント(NT-proBNP)が、高血圧患者の予後予測にも有用かどうかを検討するコホート研究が行われた。その結果は、NT-proBNPは高血圧患者においても死亡の強力な予測因子になっているというものだった。Hypertension誌4月号に掲載された。

 対象は、フランスのCroix-Rousse病院循環器部門で高血圧の精密検査を受けた患者。1998~2008年の712例について登録を検討し、心不全の症状または既往(n=21)、生存確認不可能(n=7)例が除外され、684例が最終的に登録された。

 高血圧の精密検査のため、ホルモン調節に関連する薬剤は入院前に中止し(スピロノラクトンは6週間前、利尿薬、β遮断薬、レニン・アンジオテンシン系抑制薬は2週間前)、α遮断薬またはCa拮抗薬に変更した。

 2日間の入院中、24時間の血圧および心電図モニターを行った。当初60例では1晩横臥後にNT-proBNPの採血を行ったが、以降は活動時に採血を行った。退院時には入院前と同じ高血圧治療を再開した。

 血漿NT-proBNP値の測定はロシュダイアグノスティック社のElecsys 2010 analyzerを用いて測定した(測定値の範囲:5~3万5000pg/mL)。

 心電図上のLVHは、Sokolov-Lyon index(SV1+RV5またはV6)を用いて定義した。カットオフ値は35mVとした。エンドポイントは総死亡とした。

 測定したNT-proBNP値に基づき、グループ1(50.8pg/mL未満)、グループ2、(50.8~133pg/mL)、グループ3(133pg/mL以上)に三分位した。

 登録患者の12%が血漿アルドステロン値416pml/L以上かつアルドステロン/レニン比140pml/L以上であり、原発性アルドステロン症と診断された。一方、クッシング症候群や褐色細胞腫など、その他の原因は1%以下だった。
 

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