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Hypertension誌から
糖尿病患者の死亡・心血管リスク上昇の主因は高血圧
高血圧を合併すると総死亡のリスクは72%上昇、フラミンガム研究

2011/03/30
岡本 絵理=メディカルライター

 米フラミンガム研究から、糖尿病患者における総死亡や心血管イベントのリスク上昇は、合併する高血圧が主たる要因になっていることが判明した。この結果は3月14日、Hypertension誌オンライン版に掲載された。

 カナダ・カルガリー大学の研究者らは、フラミンガム研究のoriginalコホート(5209例)およびoffspringコホート(5124例)の計1万333例から、参加時に心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中、心不全)の既往がなかった35歳以上を抽出(糖尿病1145例、非糖尿病5596例、計6741例)。

 糖尿病群・非糖尿病群をベースライン時の高血圧の有無により分類した。収縮期および拡張期の血圧が、糖尿病群については130mmHgおよび80mmHg以上、非糖尿病群については140mmHgおよび90mmHg以上の場合、高血圧と判断した。

 1次アウトカムは総死亡および心血管疾患による死亡とした。

 フラミンガム研究自体は前向き研究だが、今回の解析ではデータを後ろ向きに解析した。糖尿病群は診断時から、非糖尿病群はフラミンガム研究参加時から最長4年後まで追跡した(追跡期間の中央値は糖尿病群3.6年、非糖尿病群3.7年)。

 比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比(HR)を算出した。また、総死亡および心血管イベントのリスク因子とされている疾患の人口寄与リスク(PAR)を、P×(HR-1)/{P×(HR-1)+1}という式を用いて算出した(P:その疾患の有病率)。

 ベースライン時に心血管イベントの既往がなく糖尿病と初めて診断された1145例のうち、高血圧患者(高血圧の糖尿病患者)は663例(58%)、正常血圧者(正常血圧の糖尿病患者)は482例だった。ベースライン時に高血圧だった糖尿病患者の収縮期血圧は146.9±19.0mmHg、拡張期血圧は83.5±11.1mmHgだった。
 

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