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Circulation誌から
閉塞性睡眠時無呼吸、男性は心不全リスクも上昇
中高年の地域住民を平均8.7年追跡した前向きコホート研究より

 中高年の一般住民を対象とした長期間の前向き研究から、男性において閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、冠動脈疾患だけでなく心不全に対しても独立した危険因子となっていることが分かった。

 40~70歳の男性で無呼吸低呼吸指数(AHI)が30以上の重症者では、中央値8.7年間の追跡で、AHIが5未満の男性と比べて冠動脈疾患および心不全を新たに発症する率が、それぞれ68%および58%上昇していた。この結果は7月12日、Circulation誌オンライン版に公開された(雑誌掲載は7月27日号)。

 OSAは睡眠時無呼吸の9割を占めるとされ、睡眠中の反復する上気道狭窄によって無呼吸が引き起こされる。睡眠時無呼吸が高血圧を引き起こすことは広く知られているが、最近はさらに冠動脈疾患、心不全、脳卒中、糖尿病などとの関連も広く指摘されている。

 しかし、これまでの研究は小規模で横断的なものが目立ち、著者らによればOSAと心不全の関連を調査した前向き研究はまだ報告されていない。

 そこで、1994年から米国の多施設が共同して、40歳以上の一般住民を対象とした大規模な前向き研究を実施している。この研究はSleep Heart Health Studyと名付けられ、循環器系疾患と睡眠時無呼吸の関連を明らかにするために、自宅でポリソムノグラフィーを測定し、その後長期間の追跡調査を行っている。

 なお、Sleep Heart Health Studyでは、既に進行中の大規模研究であるAtherosclerosis Risk in Communities Study、Framingham Heart Study、Cardiovascular Health Studyなどの被験者を母集団としており、毎年その経過を報告している。

 対象者は、ベースラインで冠動脈疾患および心不全のない男性1927例、女性2495例。被験者は自宅でポリソムノグラフィーを行い、睡眠中1時間当たりの無呼吸および低呼吸の平均回数を無呼吸低呼吸指数(AHI)とした。

 「無呼吸」は10秒以上続く完全またはほぼ完全な呼吸停止、「低呼吸」は気流の明らかな低下または胸腹部のプレチスモグラフィーにより10秒以上同じ値が連続することと定義した。AHIの値によって5未満、5~15未満、15~30未満、30以上の4群に分けて検討した。

 被験者に対しては睡眠状況を質問表で聞き取り、身長・体重・血圧などの基本的な身体状態を検査した。さらに、ポリソムノグラフィーと同時に酸素飽和度、胸腹部のプレチスモグラフィー、顎部の筋電図、心電図なども測定した。
 

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