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Arch Intern Med誌から
CVD1次予防としてのスタチン、総死亡は減少せず
11試験のメタ解析結果、JUPITERの結果は早期終了によるバイアスと著者

2010/07/08
小塩 尚代=メディカルライター

 心血管疾患(CVD)の既往のない高リスクの1次予防集団では、スタチン療法(平均3.7年間)による総死亡の有意な減少は認められないことが、11試験の6万5000例超を対象としたメタ解析から明らかになった。この結果はArch Intern Med誌6月28日号に掲載された。

 スタチンが冠動脈疾患の既往を有する患者で心血管イベントや死亡のリスクを低下させることは知られているが、高リスク者の1次予防にも同様の効果があるかどうかははっきりしていない。1次予防に関する過去の系統的レビューではいずれも、CVDを有する対象者を含めて解析していた。

 そこで英国ケンブリッジ大学を中心とした研究グループが、CVDの既往のない中等度以上のリスクを持つ者に限定したメタ解析を実施し、スタチンが総死亡を減少させるかどうかを検討した。

 解析対象とする試験の条件は、スタチンとプラセボまたは対照治療(以下、対照と表記)にランダム化されており、総死亡のデータを収集していて、ベースライン時にCVDの既往がなかった対象者で実施されていることとした。これらの条件を満たし、1970年1月から2009年5月までに発表された試験の論文を、MEDLINEおよびCochrane Collaborationのデータベースで検索した。

 論文に総死亡のデータが示されていなかった場合、あるいは試験の対象にCVDの既往を有する患者が含まれていた場合には、各著者に問い合わせて、今回の解析に必要な未発表データを可能な限り入手した。

 その結果、解析対象は11試験の6万5229例となった。各試験の対象者の平均年齢は51~75歳で、女性の割合は0~68%だった。全試験における低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)のベースラインの平均値(重み付け平均)は138mg/dL、平均追跡期間3.7年間のLDL-Cの平均値は対照群が134mg/dL、スタチン群が94mg/dLであり、2群間の差の平均値は40mg/dLだった。

 これらの約24万4000人・年の追跡で、死亡は2793件だった。試験間の死亡率の差は対象者の平均年齢の違いを反映しており、メタ回帰分析では死亡率の差の66%が年齢によって説明された。
 

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