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J Am Coll Cardiol誌から
冠血流予備量比の測定効果はDES留置2年後も持続
死亡・心筋梗塞が血管造影単独より減少、FAME研究の2年成績

 多枝冠動脈疾患に対して薬剤溶出ステントDES)留置の適応を決定する際、血管造影に加えて冠血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)を測定する群と血管造影単独群に分け、アウトカムを比較するランダム化試験(RCT)の2年成績が5月26日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に掲載された。昨年報告された1年成績と同様、アウトカムはFFR併用群の方が優れていた。
 
 FFRは冠動脈の最大充血時に狭窄部の遠位で血流がどのくらい減少するかを示す指標で、最大充血時の冠動脈狭窄遠位部の圧と大動脈圧の比率として近似される。冠動脈狭窄度との関連が良好であり、さらに側副血行血流も含めて当該冠動脈潅流域の心筋血流全体を評価できるため、経皮的冠動脈インターベンションPCI)での活用が進んでいる。0.80以下が有意な低下とされる。

 今回の報告は、FAME(Fractional Flow Reserve Versus Angiography for Multivessel Evaluation)スタディーと名付けられた大規模RCTの2年後の結果である。本研究では、複数の冠動脈に狭窄率50%以上の病変のある多枝冠動脈疾患を有する患者を対象に、DES留置の適応決定におけるFFR併用の効果について検討した。米国、オランダ、オーストリア、ドイツ、イギリスなど欧米の中核医療機関20カ所で、2006年1月から07年9月までに1005例を登録した。

 FFRは専用の圧センサー付きガイドワイヤーによって、血管造影やPCIと同時に測定できる。本RCTではRadi Medical System社製の圧センサー付きガイドワイヤーを用いて、アデノシン静注下での冠動脈の最大充血時に測定した。

 各施設で血管造影のみでDES留置を判断する群とFFRを併用する群に、登録者をランダムに割り付けた。血管造影単独群では適応と判断した血管にはすべてDESを留置し、FFR併用群ではFFR0.80以下をDESの適応とした。

 DES留置1年後の時点では、主要アウトカム(死亡、非致死性心筋梗塞、再血行再建術の施行)の発生率は、血管造影単独群で18.3%だったのに対して、FFR併用群では13.2%と、FFR併用群で有意に低かった(P=0.02)。


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