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Circulation誌から
n-3系不飽和脂肪酸は心房細動の予防にも有効
血清DHA濃度が高いほど発現リスクが低下、フィンランドの研究

2009/12/09
岡本 絵理=メディカルライター

 魚に含まれる長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)が心血管疾患の予防に有効であることが示唆されているが、フィンランドの約2000例の成人男性を対象に行われた前向き研究で、血清中のドコサヘキサエン酸DHA)濃度が高い人ほど心房細動の発現リスクが低いことが分かった。この結果はCirculation誌12月8日号に発表された。

 これまでに米国の前向きコホート試験で、焼き魚の摂取と心房細動発現率の低下との関連が示されている。また、冠動脈バイパス術(CABG)後の魚油補給により心房細動の発現率が低下したという結果がランダム化比較試験で得られている。しかし一方、これに反する証拠も複数存在する。

 そこで、フィンランド・クオピオ大学の研究者らは、同国の中年齢以上の男性を対象に、血清中のエイコサペンタエン酸EPA)、ドコサペンタエン酸DPA)、DHA濃度を測定し、心房細動リスクとの関連を調べた。

 被験者は、Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Studyの参加者。1984年3月から89年12月までに、42~60歳の男性に対しベースライン時に検査を実施した。心房細動歴のあった例、各種濃度データのない例を除外した2174例を対象に、2007年12月31日まで心房細動発現の有無を追跡調査した。

 ベースライン時の血清EPA+DPA+DHA濃度に基づき被験者を四分位し、分位別にCox比例ハザード回帰モデルを用いて心房細動発現リスクを解析した。

 追跡調査期間は平均17.7年。この間、240例(11.0%)に心房細動が発現した。心房細動はEPA+DPA+DHA濃度が最低分位の群では73例(13.4%)、最高分位群では52例(9.6%)に発現し、最高分位群のハザード比[HR]は最低分位よりも35%小さかった(95%信頼区間[95%CI]:7-54%、P for trend=0.07)。


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