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J Am Coll Cardiol誌から
CRTは無症状・軽症心不全の進展も抑制する
REVERSE試験24カ月後までの追跡結果、悪化率や入院までの期間で有意差

2009/10/28
難波 寛子=医師

 左室機能不全とQRS幅延長の所見がある、無症状または軽症の心不全患者に対して、心臓再同期療法CRT)は心不全の悪化を有意に抑制し、左室収縮末期容積指数(LVESVI)を有意に改善することが分かった。REVERSE試験での欧州コホート24カ月後の解析結果で、9月30日、J Am Coll Cardiol誌オンライン版に発表された。

 心臓再同期療法(CRT)は、NYHAの心機能分類III~IV度の心不全に有効であることが知られているが、NYHA I~II度の心不全に対する効果はこれまで明らかでなかった。

 REVERSE試験の対象は、最低3カ月間NYHA I度またはII度であり、洞調律、QRS幅120ms以上、左室駆出率(LVEF)40%以下、左室拡張末期径55mm以上で、心不全に対する適切な内科的治療を最低3カ月間受けている患者。3カ月以内にNYHA III度またはIV度、心不全により入院を要した場合、ペーシングを要する場合、慢性または持続性心房性不整脈を有する場合は除外された。

 今回の解析で対象になったのは、REVERSE試験の対象者のうち欧州コホートの症例である。

 NYHA分類、QOL調査、6分間歩行、12誘導心電図、心エコーによるベースライン評価の後、対象者は2対1の割合でCRT-ON群とCRT-OFF群にランダムに割り付けられた。フォローアップは1、3、6、12、18、24カ月の時点で行われた。

 1次エンドポイントは複合臨床指標とした。すなわち、(1)心不全悪化による死亡や入院、(2)心不全悪化による脱落や治療法の変更、(3)NYHA分類の悪化や全身症状の悪化――がある場合に「悪化」とし、逆にNYHA分類や全身症状が改善した場合は「改善」とした。それ以外は「不変」とした。2次エンドポイントはLVESVIとした。

 2004年12月から2006年9月までに、欧州の35施設で287例が候補となり、最終的に262例がランダム化された(ON群:180例、OFF群:82例)。

 

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