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JAMA誌から
ACAT阻害薬pactimibe、05年中止の試験結果論文に
頸動脈内膜中膜肥厚度は不変~増加、心血管イベントも増加傾向

2009/03/27
西村 多寿子=東京大学

 アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬pactimibe家族性高コレステロール血症の患者に投与し、アテローム性動脈硬化の進展抑制効果と安全性を評価した大規模臨床試験「CAPTIVATE(Carotid Atherosclerosis Progression Trial Investigating Vascular ACAT Inhibition Treatment Effects)」試験の詳細がJAMA誌3月18日号に掲載された。

 ACATは、マクロファージや小腸、肝臓などに存在し、細胞内の遊離コレステロールをエステル化する酵素である。pactimibeは、ACATの2つのアイソザイムであるACAT-1とACAT-2の阻害薬として開発され、動物実験ではアテローム性動脈硬化の進展予防が期待できる結果を出していた。

 本試験は2004年2月に始まり、24カ月間の計画で、同薬を使ったフェーズ2試験のACTIVATE試験と並行して行われた。しかしACTIVATE試験において、プラセボと比較してpactimibe投与による有効性が示せなかったことを受けて、CAPTIVATE試験も2005年10月に中止された。

 本試験は、米国、カナダ、ヨーロッパ、南アフリカ、イスラエルの、脂質代謝を専門とする医療機関40施設で実施された。有効性の主要エンドポイントは、頸動脈超音波検査における最大内膜中膜肥厚度(carotid intima-media thickness;CIMT)のベースライン時からの変化で、副次エンドポイントは平均CIMTの変化だった。

 安全性については、複合心血管イベントを、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、頸動脈血行再建、冠動脈血行再建、不安定狭心症による入院と定義し、血液検査や心電図などを含む臨床検査データの評価や有害事象報告を実施した。

 対象患者の採用基準は、(1)男性40~75歳、女性45歳~75歳、(2)遺伝子型もしくはWHOが示すヘテロ型家族性高コレステロール血症の診断基準を満たす、(3)標準的な脂質低下療法を受けて、LDL-C≧100mg/dL、中性脂肪<500mg/dL、(4)頸動脈超音波検査Bモード法による壁肥厚の所見(0.7mm<CIMT≦2.5mm)。

 除外基準は、頸動脈の高度狭窄または閉塞、症候性心不全、ランダム化前3カ月間に発生した心血管イベント、コントロールできない高血圧や糖尿病の合併などだった。

 ランダム化前の4週間、これまでと同じ処方と食事療法を継続して行った1200例中、892例が二重盲検試験の基準を満たし、従来治療にpactimibe(100mg/日)またはプラセボを追加する2群に割り付けられた。ランダム化にあたっては、スタチン使用(24カ月以上と未満)による層別化が行なわれた。pactimibe群が444例、プラセボ群が448例だった。

 本試験は、治験責任医師主導型の臨床試験で、最終プロトコールは製薬会社と協力して作成された。試験中止となった時点で、患者の平均追跡期間は15カ月だった。約96%の患者がスタチンの投与を受けており、特にアトロバスタチン(48%)、ロスバスタチン(22%)、シンバスタチン(21%)が多かった。

 

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