日経メディカルのロゴ画像

HDAC阻害薬に対する期待は大
HFpEF特異的な治療薬候補が浮上

2018/03/05

 心不全は、近年EFの低下の有無によりHFrEF(heart failure with reduced EF)とHFpEF(heart failure with preserved EF)に分けるようになってきました。さらに細かく、HFrEF(EF<40%)、HFmrEF(EF:40-49%)、HFpEF(EF≧50%)の3群に分けることもあります。

 HFpEFのリスク因子として、高血圧と加齢がよく知られています。過剰食塩摂取のために高血圧患者が多く、また超高齢化社会を迎えた我が国では、HFpEFの割合が高くなっています。特に65歳以上の全高齢者でHFpEFが占める割合は、約20%だといわれています。HFpEFは、HFrEFと同程度の予後であり、一度入院すると5年死亡率は40%を超えます。

 HFpEFに特異的な治療法はなく、HFrEFに用いられる治療法が流用されています。しかし、有効性は確認されておらず、新たなHFpEFの治療法の確立が待望されています。今月は、動物実験ですがHFpEF特異的な治療薬候補に関する下記の論文を紹介します。

著者プロフィール

古川哲史(東京医科歯科大学難治疾患研究所生体情報薬理学分野教授)ふるかわてつし氏。89年東京医科歯科大学大学院医学研究科博士課程修了。米国マイアミ心臓研究所、マイアミ大学留学を経て、94年東京医科歯科大学難治疾患研究所自律生理分野・助手。99年秋田大学医学部第一生理学講座・助教授、2003年4月より現職。

連載の紹介

古川哲史の「基礎と臨床の架け橋」
臨床医から基礎医学の研究に身を転じた古川哲史氏に、ワンランク上の臨床を実践するために知っておいた方がいい基礎知識を、論文トピックスを材料に解き明かしてもらいます。

この記事を読んでいる人におすすめ