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「年収1000万増」を蹴った医師が重視した条件

2015/10/27
武元 康明(半蔵門パートナーズ)

 もし転職をするとして、「これだけは譲れない」という条件は何ですか。

 報酬、役職、環境……など人それぞれでしょう。ただ、一般的に、報酬や役職にこだわりすぎると、なかなかいい転職先に恵まれない傾向があるように思います。

 「50万円でも年収は高いほうがいいと交渉を重ねて心象を損ねた」、「実質トップという位置付けでは物足りないと役職にこだわったために、話が御破算になった」……。そんなケースをよく耳にします。

「最初から役職は要らない」
 それに対し、私がエグゼクティブサーチ(ヘッドハンティング)でかかわってきた事例の中には、「報酬」や「役職」を理由にまとまらなかったという例はほとんどありません(役職を理由にまとまらなかった案件は過去1件のみ)。

 そもそも、大学医局に所属している先生に、新たな勤務先として民間病院をご紹介することが多いので、報酬が現時点より下がることは特別な場合を除いてほぼありません。ポストも部門の責任者、部長、あるいは副院長、病院長など同等格を提示しますから、不満に思う人も少ないのでしょう。ただ、理由はそれだけではないと考えています。

 一番大きいのは、私たちからの申し出に興味を持ってくださるのは、好奇心旺盛で創造力や構想力があり、医療に対する問題意識が強い先生が多いからだと思います。実際にお会いしてお話ししてみると、条件を前面に出す先生はまずいません。「自分が目指す医療ができるなら、報酬は後で……」という方が大半です。

 中には、「最初から役職は要らないので、1年間様子を見て、もし駄目だと思うならクビにしていただいて構わない」と宣言して入職し、結果的に重要ポストに上り詰めた方もいました。これは経済界を主に経験してきた小職の経験の中では、ある意味、日本社会の典型的なケースと言えます。キャリアも重要ですが、転職では人間関係を新たに構築する必要があるからです。

著者プロフィール

武元康明(半蔵門パートナーズ株式会社代表取締役)●1968年生まれ。航空業界を経て大手商社系の人材ビジネスに携わり2003年、サーチファーム・ジャパン(株)設立に参加、07年社長就任、17年1〜3月会長。企業トップや医師のスカウトに特化した半蔵門パートナーズ(株)代表を務める。

連載の紹介

医師ヘッドハンティングの舞台裏
事業者が求める人材をピンポイントで“発掘”するエグゼクティブ・サーチ(ヘッドハンティング)。本連載では医師のエグゼクティブ・サーチを手掛ける企業のトップが、採用側の病院の事情や声を掛けられる医師の条件、交渉の進め方などスカウト活動の舞台裏を明らかにします。
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