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半信半疑で作り始めた「クレド」、その成果は?

2016/04/12
来丸 貴志(インクメディカルコンサルティング)

 前回ご紹介した、たなべクリニック産科婦人科(佐賀県唐津市)では、理念のほかに大切にしているものがあります。それは、10年前に主任スタッフが中心となり作り上げたクレド(行動信条)です(関連記事:「一体感を高める「託児サービス付き」職員研修」)。

 果たしてクレドが仕事に生かされるのか、スタッフたちは当初は半信半疑でしたが、自分たちが大切にしている価値観を文章に表しました。患者さんにもっと喜んでもらい、医院理念を実現していくために私たちが大切にしたいこと……、それが次の項目です。

 (1)医院理念、(2)医院文化、(3)仕事、(4)技術、(5)個別サービス、(6)報連相、(7)仕事への姿勢、(8)改善、(9)チーム、(10)大使

スタッフが朝礼でエピソードを語る
 ホテル業界などが作成しているものも参考にしつつ、自院オリジナルのクレドを作る医療機関も増えてきました。ただ、理念や行動信条は、せっかく立派なものを作成しても、往々にして「机の中にしまっておいたまま」になりがち。そうなってしまっては、いつの間にか、その言葉や精神を忘れてしまうことになりかねません。

 そこで同医院では、毎日の朝礼時に、10ある項目のうち1項目を唱和し、担当1人(持ち回り制)がクレドに関するエピソードを話すようにしています。

 最初は、その発表がスタッフにとっては大変だったようです。しかし、「クレド朝礼」を継続していくことで発表にも慣れ、エピソードの内容も質が高まりました。

「日常生活の中でも意識できるようになりました」
 あるクレド朝礼で、スタッフが次のようなお話をしました。中学生であるスタッフの娘さんが、いつも登校中にお会いするご婦人にあいさつをしていました。毎朝、元気にあいさつしてくれるその姿に感動したご婦人が、ぜひ贈り物をしたいと娘さんの家を探し回り、尋ねて来られたそうです。スタッフさんは、そんな娘のことを誇りに思うのと同時に、クレドの10番目の項目である「大使」の大切さを深く意識したそうです。

 この「大使」には、「私たちは常にたなべクリニックの大使としての役割を認識し、責任ある行動をします。立ち振る舞い、表情、言葉遣いを含め、患者様からはもちろん、自分の身の回りすべての人から憧れられる人間に近づけるよう日々努力します」と書かれており、仕事のときだけでなく、常に自分の立ち振る舞いを意識しようという気持ちを持ったとのことでした。

連載の紹介

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診療所の職員や患者の満足度を高めるには、小手先の対策ではなく、職員が一体となって取り組む「チーム」の力を高めることが不可欠。本連載では、組織づくりのための様々な取り組みを行っている診療所が集う「成功医院交流セミナー」の報告事例を中心に、組織力向上のためのヒントを紹介します。
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