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好きな基礎研究で鍛えた力が臨床にも生きた
弘世貴久(東邦大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌科 教授)

2012/05/11
高島 三幸=フリーライター

85年大阪医科大卒。同年7月に大阪大学附属病院非常勤医員。その後、同大大学院で基礎研究を開始。大学院修了後、米国国立衛生研究所に留学。帰国後、阪大第三内科助手になり基礎研究に従事。95年に西宮市立中央病院内科医長。同院で「インスリン導入外来」を開設。2004年順天堂大学内科講師。同助教授を経て06年先任准教授(呼称変更)。2012年東邦大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌学分野 教授。

 医学部に進んだときには、「白い巨塔」に憧れ、患者の立場で物事を考えられる外科医になりたいと思っていました。しかし、大学5年の頃に、内分泌の研究、特に女性の性周期ホルモン生理学に面白みを感じ始め、内分泌学を扱える内科医になろうと決心しました。

 内分泌の基礎研究をやりたいと考えた理由は、もう一つありました。論文を書いて米国に留学したかったのです。海外生活への憧れがあって。私は、外国人が来ると逃げてしまうぐらい英会話が苦手だったのですが、1歳下の弟が、5年間ロンドンに住んで英語がペラペラになっていたのが、どうにも悔しくて(笑)。基礎実験をしながら論文を書けば、グラントも取れて米国に行けるだろうという目論見でした。

 情報収集するうち、阪大が内分泌の基礎研究に力を入れているらしいと知りました。幸運なことに、母方の親戚の主治医がたまたま阪大の第三内科の先生だったので、早速相談しに行きました。お話を聞くと、阪大第三内科は、基礎研究に注力していることはもちろん、他大学から来た者に対しても不平等がないというので、一気に心が傾きました。

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