
ボストン小児病院のICUに入院中の長女です
ボストンでは1ヵ月前からたちの悪い風邪が猛威をふるい、熱を出したという話をよく聞きます。6月下旬だというのに毎日10度前後の寒い日々と雨が続き、おかしな天候も流行拡大に輪をかけているようです。この“たちの悪い風邪”の大半は、つまるところ新型インフルエンザなのではないかと思います。自分の娘が感染してしまい、なぜこんなことが起こっているのか、よく分かりました…。
ニューイングランド各州においては、4月29日にマサチューセッツ州とメイン州で初めて新型インフルエンザ(H1N1 A型)の感染者が確認されて以来、既に1ヵ月半が経過しましたが、各州における感染者の累計数は増加を続けています。在ボストン領事館の公式発表によると、ボストン市においては、今回の新型インフルエンザ(H1N1 A型)の影響により、6月10日までに13校の公立小学校が一時閉鎖となり、マサチューセッツ州全体では、これまでに一時閉鎖措置が取られた学校は計38校に上っています。
アメリカでは治療費の自己負担額が高いこと、かかりつけ医に診察してもらうまでの予約が取りづらいこと、風邪くらいでは受診しないという風潮、および受診してもほとんど治療や投薬がなく、解熱剤を飲むように言われるだけということから、多くの人はインフルエンザ様症状があってもOTC薬で乗り切っています。
季節性インフルエンザがはやる時期ではないこの初夏にインフルエンザ様症状が出るということはH1N1に罹患したのかもしれない、と分かっていながら病院に受診しないため、マサチューセッツ州の感染者数は1076件 (6月11日現在、マサチューセッツ州保健衛生局(MDPH)調べ)ですが、真の感染者数が把握できていないのが実態です。
ボストンの公立小学校、保育園の85%(6月8日付Boston Globe)でH1N1症例が確認され、感染者数が増加する中、MDPHから「発熱を呈した園児・児童は1週間通学禁止」との通達が出たのが5月23日のことです。3人の娘を通わせている保育園からも、6月上旬に園内でH1N1感染者が出たとのお知らせを受け取っていました。
そんな中、長女(4歳)が6月17日に保育園で熱を出し呼び出しを受けました。