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プログラムごとに研修受け入れの人数制限を設ける

2008/11/18

 11月6日に第3回の会議がありました。日本学術会議の桐野高明先生(国立国際医療センター総長)をお招きして、医師後期臨床研修制度のあり方についてご意見を伺いました。

 やはり、日本学術会議も、日本医学会も、日本医師会も、専認協も、みんな方向性は同じ。要望のような形ではきちんとした専門医制度の必要性を感じているわけです。では誰がやるのか、というところに打開策を見出すのが今回の研究班の肝で、まず数年でやっていけるような「行動計画」を示すことの重要性を改めて認識しました。

 今日は、今のところイメージしている新しい機構のカタチについて、お話ししようと思います。

 アメリカには、ACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education:卒後臨床教育認定評議会)という独立した第三者機関があり、そこで、卒後臨床研修の基本理念や体制は全米で統一されています。各研修プログラムごとに、病院の症例件数や指導医の数によって受け入れられる研修医数が決まっています。

 ただ、日本で同じようなシステムを作ればいいかというと、それではうまくいかないでしょう。向こうは100年以上の歴史がありますし、あれだけの組織を動かすとなれば一朝一夕にはできないと思います。社会の環境そのものが違うので、日本の風土に合った制度のたたき台を作り上げていく必要があると思います。

 体制はともかく、ジェネラルルールとして、プログラムごとに研修受け入れの人数制限を設け、さらにそのプログラムが的確であるかどうかをレビューするコミッティがある。こうした概念は日本に取り入れてもよいのではないでしょうか。

 今回の班会議では、そういった海外の体制を参考にしつつ、まず理念をしっかり持ち、基本概念をみなで共有するということが一番大事なことではないかと思います。私としては、日本国民にいい医療を提供するには、しっかりした専門医制度を作って、的確な人的資源の確保を努める。それが一番の理念だと思うわけです。

組織のトップは専任であることが重要
 さて、具体的に今考えている機構のイメージをお話ししましょう。

 この前の班会議でも話題になったのは、まずこの新たな組織のトップにどんな人がふさわしいか。委員長はかなり大きな力を持つことになるので、立場を離れて意見するために、功成り名を遂げた人が院長の職を投げ打って専従することが重要でしょう。委員長は安月給かもしれませんが、名誉ある、歴史に名が残るような仕事になると思います。これはぜひ、体力と能力のある人にやっていただきたい。

 今まであらゆる組織でこうしたことが進まなかったのは、大学教授が臨床医から理事まで全部兼任とするからという反省に立たなくてはいけません。

 専門家集団の中央の委員会の中で、各診療科の人数コントロールやプログラムの審査など、大筋は決めていくことになります。この前お話ししたように、人数基準についてある方程式を作ってあれば、それにのっとって事務局が計算して人数を割り振り、これで本当にいいかどうか、各科や施設間で微調整が必要なのか、いったことを、委員会がその年の医学部卒業生の数から考えるといったイメージです。

著者プロフィール

土屋了介(国立がんセンター中央病院院長)●つちや りょうすけ氏。1970年慶応義塾大卒。慶応病院外科、国立がんセンター病院外科を経て、2006年より現職。

連載の紹介

土屋了介の「良医をつくる」
「良医を育てる新しい仕組みをみんなで作り上げよう」。医学教育、専門医制度の論客として知られる土屋氏が、舛添厚労大臣直轄の会議と同時進行で議論のタネを提供。医師、医学生、医療関係者から広く意見を募ります。

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