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舛添厚労大臣が電話で私に頼んだこと

2008/10/08

 こんにちは、土屋です。このブログを通じて、質の高い専門医家庭医を育てる新しい枠組みをみなさんと考えていきたいと思っています。ここでの議論は、私が班長を務める「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究」班会議でも取り上げていきますので、みなさんどしどしご意見をお寄せください。

 私がこの会議の班長を務めることになったそもそものきっかけは、舛添厚生労働大臣からの1本の電話でした。ある日、携帯に大臣から直接電話がかかってきて、「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会への参加を直々に依頼されたのです。これまであちこちで好きなことを言ってきたので、面白そうだと思われたらしく、土屋を入れようということになったようです。大臣と直に話したのはそのときが初めてで、実際に話したのはほんの数分でした。

 そして、具体化会議の2回目のときに、班会議の設置とそれを基にした卒後研修をコントロールする機構を作る必要があるという具体的な要望書を大臣に出しました。大臣はそれを取り上げてくれ、すぐにその方向でやりましょうと、なったのです。

 班会議のミッションは、明日の良医を育てるためにどんな仕組みが必要か、専門家で話し合い、広く議論するための素案を出すことだと考えています。 

 6月に発表された「安心と希望の医療確保ビジョン」を受けて、具体化のための会議が8月末まで続きましたが、その時の話題の中心は「日本では医師やコメディカルが足りない」という指摘でした。数値目標については議論があるところですが、委員の先生方全員一致で、医師数を増加するという方向性は決まりました。

医師不足の背景にある「3つの偏り」
 それと同時に、医師の数をただ増やしても今の医療の危機的な状況は解決しないのではないか、問題は「偏り」ではないかという指摘もありました。

 今の医師不足の背景には、大きく3つの偏在があります。1つは、診療科の偏在、もう1つは地域による偏在、そして3つ目が、東大麻酔科の山田芳嗣先生がよく言われている、設立母体、病院の機能による偏在です。

 この3つの偏在を是正していくためにはどうすればよいのか、どこをコントロールしていけばよいのか、話し合ったところ、手をつけるべき最も大きな要が「専門医制度」、そして「後期研修」だという結論になりました。

著者プロフィール

土屋了介(国立がんセンター中央病院院長)●つちや りょうすけ氏。1970年慶応義塾大卒。慶応病院外科、国立がんセンター病院外科を経て、2006年より現職。

連載の紹介

土屋了介の「良医をつくる」
「良医を育てる新しい仕組みをみんなで作り上げよう」。医学教育、専門医制度の論客として知られる土屋氏が、舛添厚労大臣直轄の会議と同時進行で議論のタネを提供。医師、医学生、医療関係者から広く意見を募ります。

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