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「院長と同じ鍋はつつきたくない!」
不人気忘年会から考える幹事の心得

2013/11/26

 早いもので、忘年会の知らせがちらほら聞こえるシーズンになりました。勤務医時代の私は宴会の幹事をすることが多かったのですが、お店選びにはいつも頭を悩ませました。基本的に割り勘なので、会費のことも考えなければなりませんし、なるべく個室があるお店を探します。というのもお酒が入るとつい口が軽くなって、宴会中に院内の話や患者さまの話をしてしまうことがあるからです。

 現在私は、数カ所のクリニックに勤めているので、それぞれで忘年会のお誘いをいただきます。忘年会は仕事を離れた場所で院長やスタッフの方々とお話しをする良いチャンスなので、私自身はほとんどお酒を飲みませんが、できる限り参加するようにしています。

スタッフの参加率が低くて忘年会が中止、そのワケは?
 11月早々、あるクリニックの院長から忘年会に誘っていただきました。「私も年末は忙しくてね。今年は私が空いていた木曜日の晩に忘年会をすることにしましたよ。早速、○○(店の名前)にてっちり鍋の予約をしたので、先生もぜひ参加してください」。ありがたく参加させていただく旨、お返事をしたのですが……。

 その数日後、そのクリニックに仕事に行くと、「スタッフの参加率が悪いので、忘年会は中止になりました」と言われました。スタッフの参加率が悪い? どういうことなんだろう……。疑問に思った私は、仲のいいスタッフの1人に理由を尋ねてみることにしました。

 そのクリニックのスタッフは全員が近所の主婦で、子育て真っ盛りの30歳代が中心です。彼女が話してくれた忘年会不参加の理由は、3つありました。

1 夜の忘年会は参加しにくい
2 店が気に入らない
3 鍋料理が嫌だ

 まず忘年会の日程は、院長の都合で木曜日の夜でした。そのクリニックでは、木曜日の診療は午前中のみ。スタッフたちは仕事が終わっていったん家に帰った後、再び夜に出てこなくてはなりません。主婦が平日の夜に家を空けることは、子供の世話などもあって難しいことが推察されます。「せめてランチにしてくれたらいいのに……」というのは彼女の弁です。実際、女性が院長の他のクリニックのお食事会は、土曜の仕事が終わった後、おしゃれなお店のランチで開催されることが多いです。

 次にお店は、私もスタッフもクリニックの宴会で何度も行ったことがある院長行きつけのお寿司屋さんでした。院長のお気に入りのお店のことをとやかく言うのは気が引けるのですが、ここの大将はちょっとウンチクが多い人なのです。お料理の説明をするのはいいのですが、二言目には「こういう料理は家庭の主婦には出来へんやろ」と自慢されるものですから、そのたびに家庭の主婦で、家族のためにお料理をしているスタッフたちの間に白けたムードが漂うことに、私は以前から気づいていました。

著者プロフィール

さかい あい(ペンネーム)●アラフォー、独身の女性フリー眼科医。関西在住。十数年の病院勤務後、一身上の都合でフリーに転身、町の眼科クリニックに勤務。仕事は結構忙しいが、オン/オフはっきりした生活をエンジョイ中。

連載の紹介

さかいあいの「今日はどないしはったん?」
関西在住の女性フリー眼科医、さかいあい氏によるエッセイ。日々の診療や患者さんのこと、趣味や楽しみ、気になる事件など、話題てんこ盛りです。ブログタイトルは、さかい氏が診察を始めるときの決まり文句。

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