前回のコラムでは、北陵クリニック事件における宮城県警のでたらめな捜査を例に取り、警察官たちには医療事故の真相究明能力がないことを説明しました。彼らの大失態が15年経った今日まで何ら批判されることなく見逃され、誰も何の責任も取っていないのは、なぜなのでしょうか?理由は簡単です。本来、警察・検察に対して厳しい審査員であるべき法医学者たちに医療事故捜査のチェック能力がないからです.それどころか、トンデモ捜査に迎合するトンデモ法医鑑定が冤罪(えんざい)を生み出してしまうのです。
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著者プロフィール
池田正行(高松少年鑑別所 法務技官・矯正医官)●いけだまさゆき氏。1982年東京医科歯科大学卒。国立精神・神経センター神経研究所、英グラスゴー大ウェルカム研究所、PMDA(医薬品医療機器総合機構)などを経て、13年4月より現職。

連載の紹介
池田正行の「氾濫する思考停止のワナ」
神経内科医を表看板としつつも、基礎研究、総合内科医、病理解剖医、PMDA審査員などさまざまな角度から医療に接してきた「マッシー池田」氏。そんな池田氏が、物事の見え方は見る角度で変わることを示していきます。
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