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次世代リーダーたちの登竜門、チーフレジデント

2010/03/24
神保真人

筆者が研修を行なったトーマス・ジェファーソン大学病院。フィラデルフィア市の中心部に位置します。

“Congratulations! Or should I give my condolences?”
(おめでとう! それとも、ご愁傷様と言った方がいいかな?)

 年も明けると、どの研修プログラムでも来年度のチーフレジデントが選ばれます。内科などでは、チーフレジデントがその任務に専念できるように、研修終了後の1年をフルにあてがいますが、家庭医療科を含めた他科では、研修最終年次にチーフレジデントを兼任することになります。当然ながら、同僚と比べて仕事が増え、任期の1年間は自分自身の研修とチーフレジデントとしての仕事とのバランスをどうやって保っていくかが課題となります。

 私の教室でも来年度の2人が決まりましたが、祝福と共に、チーフレジデントならではの苦労を察して、冒頭のような激励を飛ばすのが恒例です。

 アメリカのチーフレジデントは権限が広く、他の研修医よりも明らかに上の存在として扱われ、研修内容に関しては並の指導医よりも強い発言力を持ちます。現に、70人に迫る指導スタッフを抱えるミシガン大学家庭医療科でも、研修ディレクターとアシスタント・ディレクターを除けば、チーフレジデントが最も研修プログラムに対する影響力が強いと言えるでしょう。この傾向は、私が研修を行なったトーマス・ジェファーソン大学でも変わりませんでした。

 余談ですが、トーマス・ジェファーソン大学のあるフィラデルフィアは、ニューヨークとワシントンD.C.のほぼ中間にあり、全米第6の人口を誇る都市です。アメリカがイギリスから独立を勝ち取った1776年から約25年間は首都としての役割も果たし、自由の鐘や独立宣言書などを有する歴史の宝庫ですが、なじみの薄い日本人にとっては、映画「ロッキー」や「シックス・センス」の舞台、2008年のMLBワールドシリーズに優勝したフィリーズの本拠地と言った方が分かりやすいかもしれません。

著者プロフィール

神保 真人

ミシガン大学家庭医療科准教授

8歳から18歳までアメリカで過ごす。帰国後、慶應義塾大学医学部に帰国子女入学者第1期生として入学。1985年同大学卒業後、同大学病院内科に入局。93年渡米。96年ペンシルバニア州トーマスジェファーソン大学病院にて、家庭医学レジデントプログラム(最終年度はチーフレジデント)を修了。その後3年間ノースカロライナの医療過疎地域にて臨床に従事し、99年に再びトーマス・ジェファーソン大学へ(家庭医療科助教授)。04年にミシガン大学からリクルートされ、現在に至る。

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