先日、香川県高松市の「高松丸亀町商店街」を訪ねた。
四国の商都・高松市には8つの商店街が連なり、すべて隣接している。
その総延長は2.7キロ。商店街としては日本一長い。
この長大なアーケード街の中に、400年の歴史を誇る
丸亀町商店街(全長470メートル)も含まれている。
この商店街、「まちづくり」に関心のある人の間では「超有名」な存在だ。
高松市の商店街もバブル崩壊後の地価暴落や、
大型ショッピングセンターの出店攻勢で、
一時は火が消えたように寂れてしまった。
いわゆる「シャッター通り」と化したのだ。
かつて、丸亀町商店街では1200人が商売をしながら
暮らしていたのだが、気がつけば、75人に減っていた。
しかも、残ったのは全員お年寄り。
そこから丸亀町商店街独特の再生が始まった。
私が暮らす長野県の市町村も、過疎の波に洗われて久しい。
少子高齢化は急加速していて、地域の医療を守るには
医療者の確保や施設の整備にとどまらず、
「まちづくり」自体を見直さなくてはならない段階に至っている。
「医」は「職」や「住」「学」と密接に関連する。
そこで今回、丸亀町商店街再生のキーパーソン、同商店街振興組合理事長の
古川康造さんにお目にかかるため、高松へ向かった。
古川さんは開口一番、「土地問題の解決がすべての鍵を握っている」と語った。
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著者プロフィール
色平哲郎(JA長野厚生連・佐久総合病院 地域医療部 地域ケア科医長)●いろひら てつろう氏。東大理科1類を中退し世界を放浪後、京大医学部入学。1998年から2008年まで南相木村国保直営診療所長。08年から現職。

連載の紹介
色平哲郎の「医のふるさと」
今の医療はどこかおかしい。そもそも医療とは何か? 医者とは何? 世界を放浪後、故若月俊一氏に憧れ佐久総合病院の門を叩き、地域医療を実践する異色の医者が、信州の奥山から「医の原点」を問いかけます。
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