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何かに依存していることは悪いことか?

2019/02/22
尾藤誠司(東京医療センター)

 私は総合病院に勤務してはいますが、やっていることは基本的にプライマリ・ケアだと思っています。そして、プライマリ・ケアをやっていてつくづく感じることは、「病気」と「何かに依存して生きること」との関係です。その最も分かりやすい形としてアルコール依存があり、アルコールへの重度の依存は分かりやすく体の変調に現れます。

 こうしたアルコール依存のある方が患者として私の前に現れるとき、多くの場合は意識障害だったり吐血だったり脱水症状だったりと様々な表現型で出会うことになります。そして私も含めて医療者は、そのような状況に出くわした時少なからず陰性感情が立ち上がります。すなわち「アルコールにおぼれたあげくにこの人はこんなひどいことになっている」とか「お酒の力がないと生きていけない弱い人だ」というようなイメージを持ってしまいがちだということです。私自身、実際の現場においてその感情が多少なりとも沸き上がることを否定できません。しかし、何かに依存して生きるということはそれほどいけないことなのでしょうか?

連載の紹介

尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」
医師のあり方を神に誓った「ヒポクラテスの誓い」。紀元前から今でも大切な規範として受け継がれていますが、現代日本の医療者にはそぐわない部分も多々あります。尾藤氏が、医師と患者の新しい関係、次代の医師像などについて提言します。

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