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ロコモティブシンドローム特集2018

【診療アップデート】ロコモの関連疾患
日本人のロコモ度テスト
性・年代別基準値作成を目指して

2018/12/28
NTT東日本関東病院整形外科部長/ロコモチャレンジ!推進協議会委員長 大江 隆史

 日本整形外科学会は2013年に、ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)啓発活動の1つとして、運動機能を評価する「ロコモ度テスト」を発表した。さらに広い世代に関心を持ってもらうため、性・年代別基準値の作成に向けた大規模な調査が進んでいる。

はじめに
 2007年に日本整形外科学会(以下、日整会)は「運動器の障害により移動機能が低下した状態」をロコモと定義した。 そして、対策を講じないままロコモを放置していると要支援・要介護状態に近づいていくとして、運動機能の低下を早めに察知し、対策を取るよう啓発活動を開始した。

 運動器の衰えは気づかないうちに進行していくので、ロコモを判別するには、幅広い年齢を対象に行える方法が必要である。そのための運動機能検査としてふさわしいのは、(1)若い年齢での天井効果を示さず、(2)移動機能低下を広い年齢で検出でき、(3)被検者にその意味が直観的にわかり、(4)介護につながる可能性と関連しているもの――でなくてはならない。

 これらの条件を満たすものとして日整会は、総合的な立ち上がるための下肢筋力を測定し、垂直方向の移動機能である「立ち上がりテスト」と、歩行速度の代用にもなり、水平方向の移動機能である「2ステップテスト」を採用した。さらに、身体状態や生活状況に関する指標としての「ロコモ25」(表1)を加えたものを、2013年に「ロコモ度テスト」として発表した。運動器不安定症の診断基準とされている開眼片脚起立時間は、運動機能低下が進行した高齢者には適しているが、若い年代では天井効果があるため使用できなかった。

表1●ロコモ25
 25 項目の質問で日常生活動作の困難さの程度を問う自記式調査票で、1問ごとに5つの選択肢があり、それぞれ選択肢に0~4点が配点され、合計点(0~100 点)で評価する。点数が低いほど良好な状態である。

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