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Unmet Medical Needs 2017 秋

State of the arts◆心房細動カテーテルアブレーション周術期の抗凝固療法
NOAC継続投与の安全性はワルファリン継続投与と同等以上
済生会熊本病院 心臓血管センター 循環器内科 不整脈先端治療部門 最高技術顧問 奥村 謙氏

2017/10/26

 日本循環器学会の調査によると、国内の心房細動(AF)患者数は現時点で約90万人と推計されている。しかし、済生会熊本病院心臓血管センター循環器内科不整脈先端治療部門最高技術顧問の奥村謙氏は、「この推計患者数は健診データを基に算出されたもので、高齢者人口の増加なども加味すると、潜在患者は200万人以上とも考えられる」と指摘する。

成績向上とともに増加する施行数
 AFの根治療法として期待されているのが、AFの原因となる異常な電気信号の発生部分を焼灼または冷凍により隔離するカテーテルアブレーションだ。「AFに対する国内の施行数は、手技やテクノロジーの進歩により治療成績が向上したことで年々増加しており、2015年は約4万3000件、16年には約5万件が施行された」(奥村氏)。

 アブレーションは、薬物治療抵抗性で有症候性の発作性および持続性AFが適応となる。アブレーション1年後のAF抑制率は、発作性で約90%、持続性で約70~80%とする報告が多く、発作性では5年後のAF抑制率は約80%とされる。奥村氏は「比較的若年で症状が強い発作性AFに対しては積極的に行っている。脳梗塞抑制や生命予後改善という観点からもアブレーションが望ましい」と語る。

ワルファリンかNOACか
 アブレーションで懸念される血栓塞栓症のリスクを軽減するため、国内のガイドラインでは、術前は3週間以上前から抗凝固薬を投与し、術中はヘパリン投与、術後も血栓塞栓症リスクに応じて抗凝固薬を継続することが推奨されている。一方、抗凝固療法では特に出血性合併症のリスクに十分な注意が必要となり(表1)、「周術期の抗凝固療法を適切に行うことが極めて重要だ」と奥村氏は強調する。

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