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Unmet Medical Needs 2017 秋

State of the arts◆肝性脳症における高アンモニア血症
国内で初めて高アンモニア血症の適応を得た難吸収性抗菌薬
大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学教授 河田 則文氏

2017/10/25

 肝性脳症は、肝機能が低下していく中で出現する意識障害などの中枢神経系障害を指す。発症の主な原因が、高アンモニア血症だ。

 アンモニアは、食物などに由来するタンパク質が腸管内の細菌(アンモニア産生菌)によって代謝される過程で産生される。これらのアンモニアは門脈の血液中に吸収され、この血液が肝臓を通る際に無毒化されるのが通常のパターンだ。しかし、肝硬変などの肝機能障害例では解毒能が著しく低下している。また、肝臓の線維化が進行して血流がせき止められるようになると、門脈-大循環短絡路(シャント)が形成され、アンモニアは無毒化されないまま体中に広がっていく。やがて、アンモニアは血液脳関門を通過して脳に侵入し、中枢神経に障害を及ぼすと考えられる(図1)。大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学教授の河田則文氏は「肝硬変の場合、腸粘膜のバリア機能が低下し、アンモニアが血中に入りやすくなっていることも、高アンモニア血症を惹起する要因の1つ」と説明する。

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