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ロコモティブシンドローム特集2015

【診療アップデート】ロコモの関連疾患を診る
神経を診る──下肢痛とふらつき
独立行政法人地域医療機能推進機構大阪病院副院長 冨士 武史

2015/12/21

高齢者の下肢痛もふらつきも歩行障害の原因となり、移動機能が損なわれるロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)の原因となり得る。ロコモの概念を認識し、その一部として下肢痛やふらつきを検討することで、高齢者のロコモからの脱出の一助になると考えられる。


1.下肢痛
 歩けない、移動できないというロコモの原因として、関節の疾患と神経の疾患がある。高齢者で多くみられる腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性すべり症は、一般的には臀部痛や下肢痛を呈し、「腰」の痛みはむしろ少ない。この2つの変性疾患は、腰椎部で馬尾や神経根への圧迫によって痛みを生み出している。

下肢痛はすべて神経か?

 腰部脊柱管狭窄症の患者数が多いこと、この疾患の啓発が進んでいることなどから、最近では「下肢痛や間歇性跛行」があればただちに腰部脊柱管狭窄症を想起し、腰椎MRIを行う医師も少なくない。確かに腰椎由来の神経症状で下肢痛や間歇性跛行を生じる例は多いが、閉塞性動脈硬化症を代表とする血管性疾患や関節疾患を忘れてはならない(症例1)。

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