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Unmet Medical Needs 2015 秋

State of the arts◆心原性脳塞栓症
出血リスクが高い日本人に適した予防が可能に
国立病院機構九州医療センター脳血管センター脳血管・神経内科科長 矢坂 正弘氏

2015/10/21

 2015年、6年ぶりに脳卒中治療ガイドラインが改訂された。今回の改訂で最も大きく変更された点は、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における心原性脳塞栓症の発症および再発予防に用いる抗凝固療法に、非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(NOAC)が追加されたことだ(表1)。従来、NVAF患者の心原性脳塞栓症再発予防にはワルファリンが唯一の選択肢であった。

 「ワルファリンの抗凝固作用は強力で、脳梗塞再発予防効果は優れている。一方で、脳出血やそれに伴う血腫増大のリスクが常につきまとっていた」と国立病院機構九州医療センター脳血管センター脳血管・神経内科科長の矢坂正弘氏は話す。特に日本人をはじめとするアジア人では、欧米人に比べてワルファリン療法中の頭蓋内出血リスクは4倍も高いと報告されている。矢坂氏は「ワルファリンで効果を得るためには、血中モニタリングを定期的に行い、国際標準化比(INR)を適正範囲に維持することが重要だが、脳出血リスクの回避を意識するあまりunder doseでの管理となり、十分な脳梗塞再発予防効果が得られない現状があった」と指摘する。

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