日経メディカルのロゴ画像

Unmet Medical Needs 2014秋

State of the arts◆ゴーシェ病
酵素補充療法で普通の生活を送れるように
田中 あけみ氏 大阪市立大学 発達小児医学 准教授

2014/10/20

 ゴーシェ病はスフィンゴ糖脂質蓄積症の1種で、遺伝性の希少疾患である。細胞のライソゾーム内で機能する酵素グルコセレブロシダーゼの活性が、遺伝子変異によって低下あるいは欠損している。そのため、この酵素で本来分解されるべき糖脂質グルコセレブロシドが肝臓、脾臓、骨髄などの組織に蓄積し、肝脾腫、貧血、血小板減少、骨症状、神経症状などを引き起こす。

 厚生労働省「ライソゾーム病に関する調査研究班」のメンバーである大阪市立大学発達小児医学准教授の田中あけみ氏は、「ゴーシェ病は日本人では約20万人に1人の発症頻度と推定され、現在、約100人が治療を受けている」と説明する。

 ゴーシェ病は神経症状の有無や重症度により、1型(非神経型)、2型(急性神経型)、3型(亜急性神経型)の3つの病型に分類されている(表1)。世界的にはユダヤ人で多く発症しており(1000人に1人程度)、そのほとんどが1型だが、日本人では3つのタイプの割合が同程度である。肝脾腫はどの病型にも共通して認められ、骨折、骨痛、無腐性壊死などの骨症状は重症な1型と3型に認められる。2型は乳児期までに発症し、神経症状が急速に進行して、2~3歳までに死亡することが多い。

この記事を読んでいる人におすすめ