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Unmet Medical Needs 2014秋

State of the arts◆本態性血小板血症
待たれる骨髄抑制療法無効・不耐容例への治療薬
小松 則夫氏 順天堂大学 内科学・血液内科 主任教授

2014/10/20

6割の患者にJAK2遺伝子変異
 本態性血小板血症(ET)は骨髄増殖性腫瘍の1つで、血小板が著しく増加する疾患である。発症頻度は10万人・年当たり1~2.5人と推定され、診断例の年齢分布は二峰性で30歳と60歳にピークがあり、若年発症例は女性が多い。症状は血管運動症状(頭痛、めまい、耳鳴り、指先の知覚異常など)、血栓症状、脾腫、出血症状などで、初発時には無症状であることも多い。まれに骨髄線維症や急性白血病に進展する場合もあり、予後は不良となる。

 ETの原因については解明が進み、現在では幾つかの遺伝子変異が同定されている(図1)。最も多いのはJAK2遺伝子変異(JAK2V617F)で、ET患者の約60%が同変異を有している。V617F変異は自己抑制性のJH2ドメインに生じるため、JAK2シグナルが抑制できなくなり、造血幹細胞の増殖、分化成熟、生存が促進される。他にCALR変異やMPL変異があり、これらは排他的である。順天堂大学内科学・血液内科主任教授の小松則夫氏は、「フィラデルフィア染色体陰性の古典的骨髄増殖性腫瘍として、ET以外に、原発性骨髄線維症と真性赤血球増加症がある。前者ではETと同様にJAK2、CALR、MPLの変異が同定されているが、後者ではJAK2変異のみであるのが特徴的だ」と説明する(図1)。

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