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Unmet Medical Needs 2014秋

State of the arts◆高齢うつ病
重症例では積極的な薬物療法が必要な場合も
馬場 元氏 順天堂大学附属順天堂越谷病院 メンタルクリニック 准教授

2014/10/20

 国内外の調査によると、高齢うつ病の有病率は10~30%とされているが、急速に高齢化が進む我が国では患者数のさらなる増加が予想されている。

 「高齢うつ病では遂行や記憶などの様々な認知機能が低下する『うつ病性仮性認知症』を呈しやすい。そのため、脳血管性・アルツハイマー型認知症によるアパシー(意欲低下)との混同を避ける必要がある」と順天堂大学附属順天堂越谷病院メンタルクリニック准教授の馬場元氏は注意を促す。

 うつ病は認知症発症のリスク因子の1つであることが分かっている。うつ病から認知症に移行する基盤として脳血管性病変が指摘されており、最近、アミロイドβ(Aβ)の代謝異常が関与することも示されている。また、馬場氏らは若年発症のうつ病ではAβの代謝異常の関与が強い一方、高齢発症では脳血管性病変の重症度が強く関わっていることを明らかにしている。「うつ病の再発を繰り返す患者は認知症リスクが高いため、特に十分な治療・管理が求められる」と馬場氏は指摘する。

心理・社会的介入も重要
 高齢うつ病と認知症との鑑別は、「臨床症状を丁寧に確認すれば可能だ」(馬場氏)。例えば、認知症患者と異なり、高齢うつ病患者は物忘れなどの認知症症状を強く自覚している(表1)。馬場氏は「認知機能検査の合計スコアでは鑑別できないが、テストを受ける患者の様子や認知機能の各ドメインを基に鑑別できる」と説明する。

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