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パンデミックに挑む

岡山市の梅毒調査から浮かぶ懸念
男性梅毒患者の7割超に風俗店の利用歴
罹患した女性の4人に1人はコマーシャルセックスワーカー

 岡山市保健所の独自調査の結果、異性間接触で梅毒に感染した男性患者の7割超に、過去数カ月以内の風俗店利用歴があることが明らかになった。また、女性患者の4人に1人がコマーシャルセックスワーカーCSW)だった。調査結果は5月8日、国立感染研究所のウェブサイトで公開された。

 今回公表されたのは、感染症発生動向調査システム(NESID)に登録された岡山市内の症例のうち2010~2017年のデータを分析した結果と、岡山市保健所が届出医師を対象に独自に行っている疫学調査の結果の2つ。

 岡山市保健所ではこれまで、梅毒届出を受理する際に、感染症担当保健師が届出医師に電話による聞き取りを行う形で疫学調査を実施。2017年4月には独自の調査票を作成し、届出票の情報に加え、職業、感染経路、パートナーの有無などの疫学情報を蓄積してきた。

 まずデータ分析の結果を見ると、全国の流行状況と同様、岡山市内でも梅毒の届出数が急増していた。特に2017年に入ってからの増加が著しく、同年の岡山市の梅毒患者は108人(男性78人、女性30人)で、2016年の25人(男性16人、女性9人)と比較して、全体で4.3倍、男性は4.9倍、女性も約3.3倍と大幅に増えていた。

 患者の年齢は、男性ではこれまで20~30歳代が大半だったが、2017年第2四半期に40歳代が増加し、第4四半期には50歳代が増加していた。一方の女性は、2017年第2四半期に20歳代の増加が顕著となり、第3四半期以降は10~40歳代と年代層が広がっていた。

 診断時の病型は、男性では2017年上半期にはII期が多かった。また女性は、2017年上半期はI期が多数だったが、下半期はII期が多くなっていた。

 感染経路を見ると、2015年以降、男性患者においては異性間接触が同性間接触を上回っていた。2017年の男性届出78人のうち59人(75.6%)は、異性間接触によるものだった。女性患者の届出30人は、全員が異性間接触による感染だった。

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