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パンデミックに挑む

山形県の麻疹集団感染、初発例を診察した医師も陽性に
抗体を持つ研修医が発症した「修飾麻疹」とは?

 公立置賜総合病院(山形県東置賜郡)は3月25日、同病院救命救急センターに勤務する20歳代の男性研修医が修飾麻疹を発症したと発表した。この医師は3月8日に、山形県で発生した麻疹集団感染の発端となった患者を診察していた。医師には麻疹のワクチン歴があり、事前の血液検査で麻疹に対する抗体を持っていることが確認されていた。だが、3月24日に咽頭ぬぐい液ではウイルスが検出されなかったものの、血液検査で陽性と判明した。

 同病院によると、この医師は初発例を診察した8日以降、24日朝まで救命救急センターに勤務。この間、自らが麻疹に感染する可能性があったことを前提に、診察時は常にサージカルマスクを装着し、同時に自身に表れ得る症状の有無を観察し続けていたという。初発例を診察してから2週間後の3月22日早朝に微熱(37.5℃)が出て、24日朝から上半身に軽度の発疹が現れたため検査を実施した。その結果、血液検査で陽性と判明し、症状から修飾麻疹と診断された。

 修飾麻疹は、ワクチン接種後の麻疹抗体を持つ人でまれに発症することがある麻疹を指す。症状は軽く、通常は周囲への感染リスクは少ないとされている。だが感染リスクはゼロではないことから同病院は、この医師からの感染の可能性がある3月21~24日に診察を受けた21人の患者に対して個別に連絡し、異常があれば最寄りの保健所へ連絡するよう依頼した。同病院は、21人の患者の中に乳幼児などの麻疹のハイリスク患者はいなかったと説明している。

 修飾麻疹は、一般的に「麻疹に対する不完全な免疫を持っている人が麻疹に感染した場合に発症する」。今回の医師の事例は、十分な免疫を持つと考えられる場合でも麻疹に感染する可能性があることを教えている。

 修飾麻疹は、「国立感染症研究所感染症疫学センター・多屋馨子氏に聞く、麻疹診療で知っておくべき5つのポイント」でも重要項目に挙がっている。以下に、修飾麻疹の部分を再掲したので参考にしていただきたい。

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