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パンデミックに挑む

国立感染症研究所アップデート
CRE感染原因は保菌が39%、医療器具関連が21%
手術部位も10%と多く、院内感染は4.9%

 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌CRE)感染症の原因は、以前からの保菌が38.7%で最も多く、医療器具関連感染が20.8%、手術部位感染が10%と続いた。院内感染も4.9%あった。昨年1年間に届け出のあった1669例を解析した結果で、国立感染症研究所が9月6日、病原微生物検出情報(IASR)で報告した。

 CRE感染症は、メロペネムなどのカルバペネム系抗菌薬および広域β-ラクタム剤に対して耐性を示すEscherichia coliKlebsiella pneumoniaeなどの腸内細菌科細菌による感染症の総称。多剤耐性であることが多く、またカルバペネム耐性遺伝子がプラスミド(核外に存在する遺伝子)を介して様々な菌種に拡散していくため、臨床的にも疫学的にも重要な薬剤耐性菌として世界的に警戒されている。

 感染研は2015年第1週(1月1日)から第53週(2016年1月3日)の報告例について解析し、その特徴を明らかにした。

 それによると、この間の届出数は1669例だった。報告時の死亡例は59例(3.5%)。性別では男性が1042例(62.4%)と多く、診断時の年齢は76歳(中央値)だった。65歳以上の高齢者が1307例と78.3%を占めるのが特徴の1つだった。ただし、10歳未満の小児が37例で、特に0歳児が18例と多い点も注目点としてあげている。

 届出の地域別では、東京都が241例(14.4%)と多く、大阪府が184例(11.0%)、福岡県が124例(7.4例)と続いた。全ての都道府県から1例以上の届出があり、地域的な広がりを示していた。

 感染症の類型を見たところ、尿路感染症が33.1%と多く、菌血症・敗血症が24.0%、肺炎が22.8%だった。また、感染原因は以前からの保菌が38.7%で最も多いのも特徴で、医療器具関連感染が20.8%、手術部位感染が10%と続き、院内感染も4.9%あった(表1)。

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