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パンデミックに挑む

【寄稿】
市民は新型インフルエンザの予防接種についてどう思う?

2014/06/27
和田耕治=独立行政法人国立国際医療研究センター国際医療協力局

 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて、市町村では住民への集団的予防接種への準備が進められている。しかし、2009年のインフルエンザA(H1N1)の流行においてワクチン接種の機会よりも感染のピークが先に来たために、すでに感染したのでワクチン接種不要という人や、当所の想定よりも感染による影響も小さいと見た人が多かったこともあってか、相当量のワクチンが余った。果たして今回の集団的予防接種について、市民はどのような思いを持っているのだろうか。

 法令に基づいて市町村が住民全員に予防接種ができる体制を構築することは重要で、こうした枠組みは災害などの対策を考える際に補強しなければならない機能などを洗い出す機会にもなるであろう。しかしながら、現状にあった仕組みでなければ意味がない。

 本稿では、市民の新型インフルエンザのワクチンに関する意識についての調査結果の概要を紹介する。もちろん、平時において、新型インフルエンザのワクチンについてどう思うかということを市民に問うたとしても有事になれば意識は当然変わりえる。「限定商品」といった掲示を用いてより多くの人を購買行動に誘うといった手法もよく用いられるように、数が足りないとなれば平時とは異なる印象を持つことは普段の生活においても見られる現象である。

 そうした限界も考慮した上で以下をお読みいただきたい。

調査方法
 2014年1月にインターネット調査会社に委託し、約3000人の20歳から69歳の男女を対象に無記名の質問票調査を行った。インターネットによる調査に同意をしている人が調査内容を受け取り、自由な意志決定のもとで参加ができることとした。なお、本研究の実施にあたっては独立行政法人国立国際医療研究センターの倫理委員会で承認を得て行った。

新型インフルエンザ流行時の予防接種を希望するのか?
 新型インフルエンザ流行時の予防接種の希望について問うために「病原性が不明の新型インフルエンザが流行した際に、新型インフルエンザの予防接種が開始された」と仮定した。この前提で、接種についての考えを、(1)できるだけ早く接種したい、(2)ある程度の人が接種され、副反応などがないことを確認して接種したい、(3)いつでも良いが、接種したい、(4)あまり接種したいとは思わない、(5)接種したくない――の5つの選択肢から選んでもらった。

 調査の結果、最も多かった回答は、「ある程度の人が接種され、副反応などがないことを確認して接種したい」で32%であった。「あまり接種したいとは思わない」が27%で続いた。一方、「接種したくない」も12%であった(表1)。

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