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第29回 日本医学会総会2015関西

日本医学会総会2015関西の見どころ・聞きどころ【Vol.12】
再生医療もグローバルヘルスも最先端の専門家が揃う医学会総会
澤芳樹氏( 大阪大学心臓血管外科教授)に聞く

2015/02/25

 さわよしき氏●1980 年大阪大学医学部卒。同年同大第一外科入局。大阪府立母子保健総合医療センター心臓外科、ドイツMax- Planck研究所心臓生理学部門、心臓外科部門などを経て、2006年から大阪大学大学院外科学講座心臓血管・呼吸器外科(第一外科)教授兼未来医療センターセンター長。大阪大学大学院医学系研究科副研究科長、国際医療センターセンター長、京都大学iPS 細胞研究所アドバイザーなども務める。

 日本医学会総会には、演者としてこれまで4、5回参加しました。4年に1度の開催ですから、通算で20年近く関わっていることになります。

 初めて講演した時は、虚血性心筋疾患に対して遺伝子治療と細胞医薬の両面で研究を進めていたので、その話題で講演しました。遺伝子治療は肝細胞増殖因子(HGF)の遺伝子を導入するという治療法で、細胞医薬の方は患者由来の骨格筋芽細胞と骨髄単核球細胞を移植するという方法でした。その後、基礎研究と臨床研究を重ね、それらの成果に基づいて昨秋、テルモが「骨格筋芽細胞シート」を承認申請しました。

 細胞医薬は実用化目前の段階です。もっとも再生医療は、現在の診療報酬の仕組みでは薬価を付けにくいなど、国内でビジネスモデルが確立しているとは言えない状況です。それゆえ、国内企業の事業化に対するモチベーションは高くはありません。今回、私が講演する柱2「臨床研究の推進」では臨床応用の動きとともに、そうした問題も論じられればと考えています。

 医学会総会は、医学界・医療界の情報をアップデートし、各分野の最先端を知ることができる絶好の機会です。日本の今後の医学・医療の方向を把握することにもつながります。

 私が最近注目しているのは、社会医学です。大阪大学では2013年、「国際医療センター」を設置し、日本発の医薬品や医療機器、医療システムを海外に展開したり、海外からの患者へ医療を提供するための枠組み作りをスタートさせました。同センターでは、日本の医療を国際化するための人材や国際医療通訳者の育成を進めています。また、公衆衛生など従来主に国内レベルでしか捉えられていなかった領域を、グローバルな視点で捉え直し、研究を手掛けるなどしています。柱14「グローバルヘルス」では、同センターにも関わっている国内最先端の医師が講演するようなので興味深いですね。

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