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第29回 日本医学会総会2015関西

日本医学会総会2015関西の見どころ・聞きどころ【Vol.16】
医学だけでは不十分。医療者に必要な幅広い学問に触れよう
尾藤誠司氏(東京医療センター臨床研修科医長)に聞く

2015/02/27

びとうせいじ氏
東京医療センター臨床研修科医長。1990年岐阜大学卒。国立長崎中央病院、UCLAなどを経て、2008年より現職。日経メディカルOnlineでコラム「尾藤誠司のヒポクラテスによろしく」を好評連載中。

 医師にとって、医学は中心的な学問であり、学ばなければならない必須の学問です。しかし、良質なヘルスケアを提供したいと考えるなら、既存の枠組みで定義される医学だけを学ぶのでは、十分とはいえません。医学しか学ばない者は、ろくな医療者にはなれない。医療者は、文学や哲学、倫理学、行動科学、心理学、言語学、工学などなど、幅広い学問に触れ刺激を得て、それらを医学と融合させて医療に取り込んでいくことが大切だといえます。

 将来、医師の仕事の大部分はコンピューターで代用できるようになるでしょう。しかし唯一、医師(人間)にしかできないことは、「価値」を加味して診断と治療を行っていくこと。医師の究極の仕事は、コミュニケーションによって患者、家族、他のメディカルスタッフの価値を知り、それを判断材料に加えて意思決定していくことだといえます。そのためには、多くの学問を駆使しなければならない。

 では、ヘルスケア提供者である医師にとって必要な学問とはどのようなものか。それを考える上で、医学会総会は最適な場です。医学会総会では、医学というカテゴリーに他の学問を取り入れて、内科学や解剖学といった従来の医学の枠組みを超えた基礎科学としての医学を模索するようなセッションが多く見られます。医学に足りないものを認識し、幅広い学問の必要性を体感し、学ぶよい機会となると思います。

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