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第29回 日本医学会総会2015関西

日本医学会総会2015関西の見どころ・聞きどころ【Vol.2】
日常診療の枠を超え これからの医学・医療を考える機会に
横倉義武氏(日本医師会会長)に聞く

2015/02/17

よこくらよしたけ氏●1944年福岡県生まれ。1969年久留米大学医学部卒、同第2外科に入局。同講師などを経て1990年ヨコクラ病院院長に。福岡県医師会会長、中央社会保険医療協議会委員などを経て、2010年日本医師会副会長、2012年第19代日本医師会会長に就任。
(写真:秋元 忍)

 医学は進歩し続けています。医療や医学は、その時々の社会のあり方に応じて変化していくべきものです。

 ですが、臨床の現場にいると、どうしても目の前の患者さんを通じてしか社会が見えなくなってきます。知らず知らずのうちに、自身の診療科や地域という限られた枠の中で医療、医学を考えてしまう。しかし、それでは医療の問題を広く、深く考えることは到底できません。

 日本医学会総会に参加すると、日本の医学・医療、世界から見た日本の医学・医療の現状を一望できます。しかも4年に1度の開催なので、進歩の差分が分かりやすいですし、その時々の日本の医学・医療における課題まで俯瞰できるのがメリットです。

 例えば、遺伝子の技術によって、老化をコントロールできるようになったら、死をどう考えればよいのか。そこには医学を超えた哲学が必要でしょう。学術講演の柱16「死生学」では、死をどう捉えるかなど、医学・医療に携わる者が考えるべきテーマが議論されます。そうした広い視野で医学・医療を考えることで、今後、医師としての目標を再確認する機会が得られるのではないでしょうか。

 また、今回の2015関西の大きなテーマの一つが、「少子高齢社会をどう支えるか」です。団塊の世代が後期高齢者となる2025年をターゲットに、われわれは、どのような医療を提供していけばよいのか。現在、平均寿命と健康寿命には10年ほどの開きがあります。最先端の医療で平均寿命を延ばすとともに、「健康寿命を延ばすこと」が医学界全体の課題であることは間違いありません。医学会総会で、この課題に対する解決策やヒントがどのように提示されるのか、楽しみにしています。学術展示「きずなと見守りの刷新――近未来のかかりつけ医」も注目です。かかりつけ医の重要性を再認識する、良い機会になるのではないでしょうか。

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