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日本脳卒中学会2011
脳卒中発症時に直ちに救急車を要請する率が高いのは秋田、山梨、愛媛そして京都

 脳卒中発症時の初動として、「直ちに救急車を要請し病院へ搬送してもらう」と回答した一般市民は67.0%だった。都道府県別にみた場合、秋田県在住の人が85%近くで最も高く、山梨県、愛媛県、京都府と続いた。逆に、最も低かったのは沖縄県で57%ほどだった。これは、聖マリアンナ医科大学神経内科の秋山久尚氏らが行った1万人規模の調査で明らかになった。その成果は、今夏、京都で開催された第36回日本脳卒中学会で発表された。

 秋山氏らは、国民に対する脳卒中の啓発活動を展開する上で、脳卒中に関する一般市民の理解度を把握することが欠かせないと考え、日本全国の医療関係者以外の1万人を対象に、アンケート調査を行った。

 対象は、20歳以上69歳までの医療関係者を除く男女。一般市民モニター412万人を対象に、居住都道府県、性別、年齢階級などの人口特性を指標として3万人を抽出し、インターネットによる調査を行った。調査期間は、2010年11月8日から11日。

 その結果、有効回収数は、1万1121人(男性5550人、女性5571人)。平均年齢は44.8±13.1歳。会社員が42.1%、大学・大学院卒が44.4%、既婚者が62.5%などの特徴があった。

 調査ではまず、自身あるいは身近に脳卒中患者がいるかどうか尋ねた。「いる」と回答したのは14.8%、「いない」は85.2%だった。年齢階級別にみると、高齢になるほど「いる」との回答が増加した。例えば20代は8.8%だったが、60代は20.9%と2倍強の開きがあった。

 脳卒中の知識については、「よく知っている」が10.3%、「多少知っている」が33.8%となり、半数近くが「知識はある」と回答した。やはり高齢ほどこの割合は高いという結果だった。

 脳卒中の知識の情報源について「ある」と回答した3754人に、具体的な情報源を尋ねたところ、「テレビ」と回答した人が85.2%(複数回答)で抜きん出ていた。「新聞」が34.1%、「雑誌」が23.5%だった。「講演会」や「配布チラシ」「ポスター」などは、5から6%と少なかった。興味深い点は、新聞や配布チラシでは、高齢ほど高い傾向がうかがえた点。これについて「若い人は活字離れが進んでいるからではないか」とした秋山氏は、「啓発のアプローチは年齢別に考慮すべき」と指摘した。

 脳卒中と判断すべき症状についても明らかにしているが、「片方の手足、頭半分の麻痺、しびれが起こる」は89.5%の人が、「ロレツが回らない、言葉が出ない、他人の言うことが理解できない」も95.5%の人がそれぞれ挙げた(選択数5問の複数回答)。「経験したことのない激しい頭痛がする」も65.7%と高かった。

 一方で、「両方の手(または両方の足)の麻痺、しびれが起こる」という脳卒中の症状としては不適格な選択肢は47.3%と半数近くの人が選んでおり、逆に、「片方の目が見えない、物が二つに見える、視野の半分がかける」という正しい症状を挙げた人は45.8%となった。脳卒中の症状についての知識は、不十分であることが浮き彫りになった。

 危険因子については、89.1%が「高血圧」を挙げたものの、「糖尿病」や「メタボリック症候群」「心房細動(不整脈)」や「脂質異常症」はどれも50%を割っていた。

 ユニークなのは、脳卒中の判断の自信についても尋ねている点だ。全体では、「あまり自信がない」が44.2%、「まったく自信がない」も44.0%もあり、大半の人は「自信がない」と回答していた。

 こうした知識、理解度を踏まえて、脳卒中が発症した場合の初動についても、一般市民がどのように理解しているかを明らかにした。それによると、「直ちに救急車を要請し、病院へ搬送してもらう」と回答した人が最も多く、67.0%だった。「数時間、安静にして様子を見てから病院へ行く(行くように勧める)」は8.8%、「数日間、安静にして様子をみてから病院へ行く(行くように勧める)」は2.4%だった。一方、「とりあえず、かかりつけの医療機関を受診あるいは相談し指示を受ける(受けるように勧める)」は15.5%と比較的高い結果となった。

 年齢階級別では、高齢ほど「直ちに救急車を要請」が高く、また若い年齢ほど「とりあえず、かかりつけの医療機関を受診」が高くなる傾向が見られた。この結果も秋山氏が指摘する「啓発のアプローチは年齢別に考慮すべき」を支持するデータとなっている。

 「直ちに救急車を要請」に寄与する因子を調べたところ、「症状の知識」「危険因子の知識」「身近に脳卒中患者がいる」のオッズ比が有意に高いことが分かった(ロジスティック回帰分析による。年齢、性別、学齢で調整後のもの)。

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