日経メディカルのロゴ画像

高血圧Projects
  • トップ
  • ピックアップ
  • 学会トピックス
  • ニュース&レポート

日本腎臓学会2011
高齢者腎障害例、非ステロイド性抗炎症薬、抗腫瘍薬、抗菌薬を使用する際は「格別の注意」を

2011/08/02

 高齢者の既存の腎障害は薬物性腎障害の危険因子であることが再確認され、特に腎障害例に対して、非ステロイド性抗炎症薬抗腫瘍薬抗菌薬を使用する際は「格別の注意が必要」であるとの見解が示された。厚生労働科学研究である「高齢者における薬物性腎障害の調査」で明らかになったもので、東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科大野岩男氏らが、6月に横浜で開催された日本腎臓学会で報告した。

 「高齢者における薬物性腎障害の調査」の目標は、薬物性腎障害の発生頻度、臨床的特徴、発症前推定GFR、基礎疾患やメタボリックシンドロームなどの合併症と予後の関連、危険因子はどを解析すること。特に、非高齢者と比較することにより、高齢者の薬物性腎障害の特徴を明らかにし、その予防法の確立につなげることを目指している。

 調査期間は、2007年1月1日から2009年12月31日までの3年間。調査対象施設は、腎臓専門医が常駐する全国の大学病院および基幹病院の計47施設だった。

 これらの施設に対してアンケート方式で調査を行い、29施設から回答を得た。回収率は61.7%だった。

 アンケートの結果、薬物性腎障害の症例は183例だった。全入院患者総数に占める割合は、0.935%だった。
年齢は62.3±16.7歳(17~90歳)で、性別は男性が103人、女性が78人、不明が2人だった。メタボリックシンドロームの有無で見ると、「有」が23人、「無」が130人だった。またBMIは、22.6±4.4(13.3~38.9)だった。

 薬物性腎障害の被疑薬として浮かんだのは、非ステロイド性抗炎症薬が25.1%で最も多く、抗腫瘍薬が18.0%、抗菌薬が17.5%で続いた。発症機序については、直接型腎障害が54.6%と飛び抜けており、過敏型腎障害が19.0%、混合型が5.7%などだった。

 また、薬物性腎障害発見時の症状や所見は、急激な腎機能低下が34.8%と最も多く、皮疹が12.0%、蛋白尿が10.5%などだった(表1)。

この記事を読んでいる人におすすめ