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入院時に大出血を起こすSTEMI患者の特徴──HORIZONS-AMI試験より

 急性冠症候群患者が大出血を引き起こすと死亡リスクや罹病リスクが上昇する。しかし、初回経皮的冠動脈インターベンションPCI)を実施したST上昇型心筋梗塞STEMI)患者が入院中に大出血に引き起こしたときの長期予後は明らかではなかった。

 そこで米国New York-Presbyterian Hospital/Columbia University Medical CenterのJung Won Suh氏らは、HORIZONS-AMI試験のサブ解析を行い、入院中の大出血が長期予後に及ぼす影響を検討し、その結果を4月2日から米国ニューリンズで開催された第60回米国心臓学会議(ACC2011)で報告した。

 HORIZONS-AMI試験は、発症後12時間以内のSTEMIでPCIを実施する患者3602人に対して、付加治療としてトロンビン阻害薬であるbivalirudin単独療法あるいは未分画ヘパリン/糖たんぱく(GP)IIB/IIIa阻害薬併用療法を投与し、予後を比較した試験。追跡の結果、bivalirudin投与群の方が大出血リスクが有意に少なく(相対リスク0.6)、PCI後30日間の有害事象を減らすことが示されていた。

 このHORIZONS-AMI試験では、PCIのうちステント治療を受けた患者3006人について、パクリタキセル溶出ステント群あるいはベアメタルステント群に3:1で無作為に割り付けており、3年後まで追跡した結果、薬物溶出ステント(DES)であるパクリタキセル溶出ステント群はベアメタルステント群と比べて有意に再狭窄や再インターベンションを減らしていた。

 HORIZONS-AMI試験における初回PCI施行例は3345例で、入院中に大出血を引き起こしたのは231例(6.9%)だった。そのうち13例は血栓塞栓性イベント発症後の二次出血であったため除外し、解析対象は218例(6.5%)とした。対照は、大出血を引き起こさなかった非大出血群3114例。追跡は、HORIZONS-AMI試験開始から最大3年間行った。

 登録時患者背景を比較した結果、大出血群は、年齢(大出血群67.5歳 対 非大出血群59.7歳)、女性比率(37.6%対21.9%)、BMI(26.3対27.1)、貧血の合併率(18.5%対9.9%)、糖尿病合併率(22.5%対15.9%)、心不全(5.0%対2.4%)、腎機能障害合併率(8.3%対2.4%)において非大出血群に比べて有意に高かった。

 また、症状の発生からバルーンまでの時間は大出血群が4.1時間に対し非大出血群が3.7時間、Killip分類2-4の患者の割合は17.4%対7.9%、バルーンのみ施行例は7.4%対3.9%、ステント使用例は84.9%対94.1%、患者当たりのステント使用数は1.7対1.5、ステント長は28mm対24mm、PCI後のTIMIフローが3であった症例の割合は80.9%対92.4%となり、それぞれ非大出血群との間で有意差が見られた。

 また退院時に受けていた薬物治療について、β遮断薬(大出血群84.1% 対 非大出血群91.1%)、スタチン(90.2%対95.9%)が大出血群で非大出血群より有意に少なく、利尿薬(30.6%対20.6%)、ジゴキシン(3.1%対1.1%)、アミオダロン(6.7%対2.3%)が大出血群で非大出血群より有意に多かった。

 大出血群と非大出血群の背景の比較から、入院時の大出血を抑制する因子としてはbivalirudin投与(オッズ比0.53)と男性(オッズ比0.57)が、促進する因子としては白血球数増加(オッズ比1.07)、貧血(オッズ比2.09)、腎障害(オッズ比1.62)、Killip分類2~4(オッズ比1.78)、加齢(10歳当たりオッズ比1.18)のそれぞれが同定された。

 3年死亡率は大出血群24.6%、非大出血群5.4%と大出血群で有意に高く(ハザード比5.17、95%信頼区間;3.76-7.07、p<0.001)、MACE発生率は大出血群40.3%、非大出血群20.5%と大出血群で有意に高かった(ハザード比2.32、95%信頼区間;1.85-2.92、p<0.001)。

 また、死亡率およびMACE発生率をPCI施行から30日後まで、31日後から12カ月後まで、13カ月後から3年後までの期間に区切って評価したが、いずれの期間においても、大出血群の死亡率は非大出血群に比べて有意に高かった。

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