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インフルエンザ診療
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シリーズ◎今冬のインフルエンザで気掛かりなこと(1)
ゾフルーザ低感受性、小児例で症状が長引く傾向
解熱までの時間は同程度だが、ウイルス排泄期間は有意に長く

福島県立医科大学小児科の佐藤晶論氏

 ゾフルーザ低感受性ウイルスが検出された群では、検出されなかった群に比べて臨床症状が長引く傾向が見られ、ウイルスの排泄期間が有意に長かった――。これは、福島県立医科大学小児科の佐藤晶論氏らが小児を対象に行った観察研究で明らかになったものだ。

 佐藤氏らは、ゾフルーザ(一般名バロキサビル マルボキシル)低感受性ウイルス(以下変異ウイルス)の臨床への影響を調べるため、県内の3つの診療所の協力を得て観察研究を実施した。ゾフルーザが本格的に使われ出した2018/19シーズンに、3つの診療所を受診した小児患者のうち、研究への同意を得られた37例について解析を行った。

 37例のうち、18例にはゾフルーザが、19例にはオセルタミビル(商品名タミフル他)が処方されていた。患者背景を見ると、平均年齢はゾフルーザ群の8.7歳に対して、オセルタミビル群が4.1歳と年齢が低かった。この点について佐藤氏は、低年齢層を対象としたゾフルーザの顆粒タイプが発売されず、一方でオセルタミビルには低年齢層に使われるドライシロップがあったことが、この差を生んだと見ている。

 ワクチン接種歴があったのは、ゾフルーザ群が13例、オセルタミビル群が12例と変わらず、発症から内服までの時間(中央値)はそれぞれ9.6時間だった。内服までに確認された最高体温は、38.7℃と39.0℃とほぼ差はなかった。検出されたウイルスのタイプは、ゾフルーザ群でA/H1N1pdm09が12例、A/H3亜型が6例。一方、オセルタミビル群ではそれぞれ3例と16例で、タイプの割合は異なっていた。

 観察研究では、投与前、投与2~3日後および投与4~7日後の計3回受診してもらい、その際に臨床経過を確認し、かつ鼻腔粘膜から検体を採取しウイルス解析を進めた。

 臨床経過では、内服から解熱(37.5℃未満が24時間経過)までの時間に着目。ゾフルーザ群とオセルタミビル群で比べたところ、有意差はなかった。

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