今シーズンのインフルエンザ脳症の報告が増えている。2月28日までの1週間で、全国から新たに12例の報告があり、累計で79例となった。死亡報告も4歳児の死亡例が1例あり、計5人となった。死亡報告の割合は6.3%で、2009/10から14/15シーズンの6.8%とほぼ同水準にある。インフルエンザ流行が依然として警報レベルにあり、医療機関は引き続き、インフルエンザ脳症などの重症例の発生に留意しなければならない。
国立感染症研究所がまとめている感染症発生動向調査によると、2015年36週から2016年8週までに、189例の急性脳炎が報告されている。このうち、病型がインフルエンザウイルスと記載された症例を抽出したところ、第8週に新たに12例が報告され、累計で79例となった。
発生時期を見ると、2015年48週に1例目が報告された以降、50週からは毎週報告されており、症例数は流行の拡大とともに増加する傾向にある(図1)。
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