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インフルエンザ診療
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ワクチン株と流行株の抗原変異は感染研で分析中
流行株のAH3亜型、昨年、一昨年より変異が進む

 今シーズンのインフルエンザ流行株の主流となっているAH3亜型は、昨年および一昨年に流行したウイルスAH3亜型と比べて遺伝子変異が進んでいることが分かった。横浜市衛生研究所の検討で明らかになった。今シーズンのワクチン株と流行株の抗原変異については、現在、国立感染症研究所で分析中だ。

 横浜市衛生研究所の川上千春氏らによると、横浜市内ではこれまでに、病原体定点医療機関から11件のインフルエンザウイルスが分離・検出されている。亜型別に見ると、第39週にAH1pdm09が1件検出された以降は、すべてAH3亜型だった。また、病原体定点以外に集団かぜの調査で検出されたインフルエンザウイルス36件もすべてAH3亜型だった。

 流行株の主流と考えられるAH3亜型について川上氏らは、11月に横浜市で検出されたウイルス株のHA遺伝子解析を行った。その結果、アミノ酸変異が多く見られ、HA遺伝子系統樹を見る限り、昨年および一昨年に流行したAH3型より変異が進んでいることが分かった。

 また、今シーズンのワクチン株とはアミノ酸がいくつか異なっており、スクリーニング検査の結果では、抗原性状はHI価で8倍の違いがあった(4倍までが類似株)。実際に抗原が変異しているのかどうかについては詳細な抗原解析が必要であることから、現在、感染研で分析中だという。

 今シーズンは例年になく流行の立ち上がりが早いが、川上氏は「流行にはウイルス変異とともに抗体保有状況も関係してくる。変異したから流行が早くなるとは限らない」などと指摘、早い立ち上がりの理由は現時点では分からないとしている。

全国的にインフルエンザ流行期に入る、この5シーズンで最も早く
 11月30日までの1週間で全国の定点医療機関でインフルエンザと診断された患者数は、定点当たり1.90人となり、流行の目安とされる1人を超え、全国的にインフルエンザの流行期に入った。2010/11シーズン以降の5シーズンでは最も早い立ち上がりとなった(図1)。

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