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循環器・糖尿病診療
のNew Stage

Lancet Diabetes and Endocrinologyから
2型糖尿病患者でもFGMはそこそこ有効
オーストラリアで行われたGP-OSMOTIC試験の結果

2020/02/14
佐古 絵理=メディカルライター

 日常診療で成人2型糖尿病患者にフラッシュグルコースモニタリングシステム(FGM)を使用したところ、12カ月時点でのHbA1cはFGM非使用群との間に有意差を認めなかったが、6カ月時点でのHbA1cや12カ月時点の測定で血糖値が目標範囲に収まっていた時間の割合は有意に改善した。オーストラリアで行われたGP-OSMOTIC試験の結果で、Lancet Diabetes and Endocrinology 2020年1月号に掲載された。

 糖尿病の診療ガイドラインでは、HbA1cに基づいた血糖管理の最適化を推奨している。しかし、血糖の日差変動や日内変動を知るには、持続グルコースモニタリングシステム(CGM)やFGMと呼ばれる機器を使う必要がある。今回、オーストラリアの研究者らは、プライマリケア医による2型糖尿病の管理において、FGM(FreestyleリブレPro)の使用が有効であるかを評価する非盲検ランダム化比較対照試験を実施した。

 対象は、1年以上前に2型糖尿病と診断され、インスリン以外の血糖降下薬の併用またはインスリン(インスリンと他剤の併用も許容)による治療を4カ月間以上安定的に受けており、前月のHbA1cが各自の目標から0.5%以上上回っていた18~80歳の患者とした。患者をFGM使用群または非使用群のいずれかに、1対1の割合でランダムに割り付けた。

 FreestyleリブレProは、間質液中のグルコース濃度を15分間隔で最大14日間記録する。記録時に患者自身がデータを見ることはできず、定期受診時にデータがアップロードされ、医師が診療に反映させた。プライマリケア医は2時間のトレーニングセッションを受け、自由行動下の血糖プロファイルの解釈と診療に活用する方法を学んだ。

 FGM群の患者は、ベースライン時と3、6、9、12カ月後に5~14日間センサーを装着し、その後プライマリケア医を受診して、結果の説明を受けた。非使用群の患者も3カ月ごとに受診したが、FGMはベースライン時と12カ月後にのみ使用し、診療には反映させなかった。プライマリケア医は各自が適切と判断した治療を行った。

 主要評価項目は12カ月時点でのHbA1cの群間差とした。副次評価項目は、12カ月時点でグルコース値が目標範囲(72~180mg/dL)に収まっていた時間の割合、12カ月時点でのProblem Areas In Diabetes(PAID)で評価した糖尿病による負担感、6カ月時点のHbA1cの群間差とした。統計解析はintention to treatで実施し、統計専門家は割り付けに関してマスクされていた。

 2016年10月4日~2017年11月17日にオーストラリア・ビクトリア州の25施設(医師78人)から登録された成人2型糖尿病患者299人をFGM群(149人)または非使用群(150人)に無作為に割り付けた。患者背景は平均年齢60.1歳、HbA1c 8.9%だった。

 主要評価項目とされた12カ月時点でのHbA1cは、FGM群8.2%(95%信頼区間[95%CI]:8.0-8.4%)、FGM非使用群8.5%(95%CI:8.3-8.7%)であり、有意な群間差はなかった(群間差:-0.3%、95%CI:-0.5~0.01%、P=0.059)。

 副次評価項目の1つである6カ月時点でのHbA1cは、FGM群がFGM非使用群より有意に低かった(群間差:-0.5%、95%CI:-0.8~-0.3%、P=0.0001)。また、12カ月時点で目標グルコース範囲に収まっていた時間の割合は、FGM群54.8%(95%CI:50.4-59.1%)、FGM非使用群46.9%(95%CI:42.5-51.2%)であり、FGM群が有意に高率だった(群間差7.9%、95%CI:2.3-13.5%、P=0.0060)。12カ月時点でのPAIDスコアには、有意な群間差を認めなかった(群間差:-0.7、95%CI:-3.3~1.9、P=0.61)。

 試験中に1人が、介入とは関連のない原因により死亡した(複数併存疾患を伴う心筋梗塞後の合併症後)。重度の低血糖症や治療関連死は報告されなかった。

 著者らは今後の課題として、費用の観点から最適な装着期間と装着頻度を決定する必要があると述べた。また、FGMによって一定の低血糖が可視化されたためプライマリケア医が治療強化を躊躇した可能性があり、臨床イナーシャの克服にはグルコース値が得られるだけでは不十分なのかもしれないと指摘している。

 本研究はNational Health and Medical Research Council of Australia、Sanofi Australia、Abbott Diabetes Careから資金提供を受けて実施された。

論文:
Furler J, et al. Use of professional-mode flash glucose monitoring, at 3-month intervals, in adults with type 2 diabetes in general practice (GP-OSMOTIC): a pragmatic, open-label, 12-month, randomised controlled trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2020;8:17-26.

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