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Anti Thrombotic Therapy.2016

【末梢動脈疾患 エキスパートインタビュー】
重症虚血肢の治療が血管外科の最も重要な務め
医療法人厚生会 虹が丘病院血管外科部長 西 活央氏

2011/01/26

医療法人厚生会虹が丘病院血管外科部長の西活央氏

 近年、高齢化社会などを背景にPAD末梢動脈疾患)が増加しているが、重症虚血肢となると治療が困難なことも多く、予後も極めて不良となる。従って、早期発見・早期治療が非常に大切であり、そのためには関連する診療科の連携も重要となる。そこで、医療法人厚生会虹が丘病院血管外科部長の西活央氏(写真)に、PADに対する治療の実際や、医療連携の取り組みについて、お話をうかがった(日経メディカル別冊)。

―― 下肢PADに対する治療では、整形外科との連携を重視されているとのことですが、どのような取り組みをされているのでしょうか。

西 下肢PADの患者さんへの治療が、十分に行き届いているのだろうかという思いの中、この病院で血管外科を立ち上げたのが6年前のことです。
 
 まずは患者さんの掘り起こしが課題でしたので、足を観察することの重要性を近隣病院や開業医の先生方にも理解していただく必要があり、研究会やセミナーを通してPADの認知度を高めるところから始めました。そして、次の課題となったのがPADの診療に携わる診療科間のスムーズな連携をいかに実現するかということでした。

 厚生連高岡病院整形外科の鳥畠康充先生らが行った調査によれば、間欠性跛行を主訴とする患者さんが最初に受診する診療科は整形外科が84.5%と圧倒的に高い割合を占めています。また、間欠性跛行の原因疾患として、PADの関与した症例は24.1%に及ぶことも報告されています。

 従って、間欠性跛行の患者さんに整形外科的な治療を行っているうちに、PADの発見が遅れるということのないためにも、血管外科と整形外科が連携を密にして、早期に診断、介入することは非常に重要です。

 そこで、整形外科との連携を深めるために、図1に示すような下肢痛疾患診断アルゴリズムの導入を検討しています。このアルゴリズムでは、整形外科を受診された患者さんで間欠性跛行や下肢痛の症状があった場合、整形外科的な検査と同時にABI(足関節/上腕血圧比)も測定し、ABIが0.9以上であった場合は整形外科的精査を進め、0.9未満の場合は血管の精査(CT、MRI、Vascular Labo)まで行った上で診断することにしています。下肢痛の原因が、整形外科的要因と血管病変のどちらが強いのかをしっかりと診断してから治療に入るべきではないかということで、取り組みを進めているところです。

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