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Anti Thrombotic Therapy.2016

【ISC2012リポート】No.7
高度狭窄患者で側副血行が不十分な場合、脳卒中発症リスクはステント治療の方が高い──SAMMPRIS対象者で解析

2012/04/27

 高度狭窄患者で側副血行が不十分な場合、内科療法でもステント治療でも脳卒中発症リスクが高まり、そのリスクはステント治療を行った患者の方でより高いことが示された。SAMMPRIS(Stenting and Aggressive Medical Management for Preventing Recurrent stroke in Intracranial Stenosis)試験のデータを用い、側副枝の形成と脳卒中再発および出血の関係を解析した結果で、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のDavid S. Liebeskind氏らが、米ニューオーリンズで開催されたISC2012(国際脳卒中学会)で報告した。

 SAMMPRIS試験は、主要頭蓋内動脈に70~99%の狭窄を有し、登録後30日以内に一過性脳虚血発作(TIA)もしくは脳梗塞を発症した患者を対象に、積極的内科療法とステント治療+積極的内科療法との効果を比較したもの。

 演者らはすでに、頭蓋内動脈狭窄症患者における抗血栓薬の効果を検討したWASID(Warfarin-Aspirin Symptomatic Intracranial Disease)試験の血管造影データを解析し、側副枝の形成と脳卒中再発リスクが関係することを明らかにしている。それによると、側副枝の発達は、頭蓋内動脈のベースライン狭窄率が70~99%の患者では脳卒中再発リスクを減少させるのに対し、狭窄率50~69%の患者では脳卒中再発リスクを増加させていた。

 今回の解析では、ベースラインの血管造影画像におけるASITN/SIR(American Society of Interventional & Therapeutic Neuroradiology/ Society of Interventional Radiology)側副枝グレードと、再開通の状態を評価するTICI(Thrombolysis in Cerebral Infarction)グレードを判定し、30日以内の脳卒中発症との関係を検討した。

 SAMMPRIS試験の対象者451人(積極的内科療法群186人、ステント治療+積極的内科療法群190人)のうち、ASITN/SIR側副枝グレードが判定できたのは376人、TICIグレードが判定できたのは424人だった。早期の局所性脳卒中(early territorial stroke:SIT)が発症していたのは、積極的内科療法群では186人中6人(3.2%)、ステント治療+積極的内科療法群では190人中20人(10.5%)。そして、側副枝が完全に形成されていた積極的内科療法群の66人とステント治療+積極的内科療法群の51人では、SITの発症は0人だった。

 TICIと側副枝の状態がそれぞれ部分的か完全かに分けて解析すると、両群におけるSIT発症率は表1のような結果となった。

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