日経メディカルのロゴ画像

Anti Thrombotic Therapy.2016

日本の循環器内科医によるCAS、30日時点のMAEが3.7%と好成績――CASCARD試験より

2011/09/07

東海大学医学部内科学系循環器内科教授の伊苅裕二氏

 日本の循環器内科医が実施するCASは、術後30日時点の主要有害事象(MAE)の発生が3.7%と低く、他の臨床試験と比べても好成績であることが分かった。レトロスペクティブな登録研究であるCASCARD試験により明らかになったもので、8月に横浜で開催された第75回日本循環器学会総会・学術集会で、東海大学医学部内科学系循環器内科教授の伊苅裕二氏が報告した。

 アテローム血栓性脳梗塞の予防のために行われるCASは、欧米と異なり、日本においては主に脳神経外科医が実施することが多く、循環器内科医が手がける例はまれだった。その後、循環器内科医らは、CASの教育、研修などに取り組み、CAS普及の努力を重ねてきた。CASCARD(Carotid Artery Stenting in Japan)研究は、こうした努力の成果を明らかにするために行われた。主要評価項目は、CAS施行後30日時点のMAE(全死因死亡、手術側脳梗塞、非手術側脳梗塞、心筋梗塞)の発生率とした。

 2008年4月から2010年3月までに、55施設に上る国内の医療センターから、循環器内科医が施術したCASの704例が登録された。

 患者背景としては、女性が14%で、年齢は74±8歳、80歳以上が24%だった。症状別では、無症候性が438例(62%)、症候性が257例(37%)だった。症候性疾患の内訳は、TIAが93例(全体の13%)、脳卒中が145例(同21%)、一過性黒内障が19例(同3%)だった。心疾患では、冠状動脈疾患が495例(70%)で最も多かった。喫煙習慣がある人は10%、糖尿病は48%にみられた。また、脂質異常症は61%に、高血圧は80%に認めた。

 治療面では、抗血小板薬としてアスピリンが659例(94%)に、クロピドグレルが470例(67%)に、チクロピジンが108例(15%)に、シロスタゾールが142例(20%)にそれぞれ投与されていた。抗血小板薬の数は、単剤が63例(9%)、2剤が576例(82%)、3剤が54例(8%)などだった。

 試験の結果、MAEが26例(3.7%)に発生した。これは他の臨床試験、例えばSAPPHIRE、CASES-PMS、SAPPHIRE WWなどの成績に比べて引けをとらない成績だった(図1)。MAEの内訳は、死亡が2例、脳卒中が24例で、心筋梗塞はゼロだった。

この記事を読んでいる人におすすめ