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Anti Thrombotic Therapy.2016

【ISC 2011リポート】No.9
頭蓋内動脈狭窄症に対する薬物療法の効果を3D-CTで評価

 頭蓋内動脈狭窄症IAS)の治療法としては、薬物療法、バイパス手術、血管内治療があるが、血管内治療は安全性の面でまだ課題が多い。そこで、慈恵医科大学脳神経外科講師の石橋敏寛氏らは、予備的試験としてシロスタゾールの効果を3D-CTで評価し、その結果を米ロサンゼルスで開催された国際脳卒中学会(ISC2011)で報告した。
 
 シロスタゾールは、日本人脳梗塞症例を対象にした大規模臨床試験CSPS(Cilostazol Stroke Prevention Study)で脳梗塞再発抑制効果、CSPS 2で脳卒中再発抑制効果が示され、さらにIASの進行抑制効果も報告されている。こうした背景のもと、石橋氏らはシロスタゾールのIAS退縮効果を3D-CTアンギオグラフィー(3D-CTA)によって評価する研究を行った。

 対象者は、2007年7月~2009年3月に登録されたIAS症例22例(平均年齢57.0歳、男性19例、女性3例)。内訳は、症候性9例、無症候性13例、病変部位は左中大脳動脈が17例(76%)で最も多かった。併用された抗血小板薬はアスピリン9例(41%)、クロピドグレル3例(14%)、なし11例(50%)で、スタチン投与は6例(27%)だった。

 これらの症例にシロスタゾール100mg/日を2週間投与した後、200mg/日に増量し、3カ月、6カ月、12カ月、24カ月後に3D-CTAによるIASの評価を行った。主要評価項目は3D-CTAで評価した狭窄率と狭窄の長さとし、副次的評価項目は臨床イベントとした。

 その結果、平均狭窄率は登録時の92.8%が3カ月後には82.8%、6カ月後には85.8%、12カ月後には64.9%になった。狭窄の長さは、登録時の6.0±3.5mmが6カ月後には2.9±3.0mmと有意に短縮した(p=0.0002)。狭窄率の改善がみられた症例は9例(41%)で、症候性と無症候性の間に有意差はなく、狭窄の長さの改善がみられた症例は21例(95%)だった(図1)。なお、試験期間中に脳卒中の発症はなかった。

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