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Anti Thrombotic Therapy.2016

【ISC 2011リポート】No.3
CHATARSIS試験の対象患者の特徴などを報告

東京女子医科大学神経内科教授の内山真一郎氏

 頭蓋内動脈狭窄症IAS)に対するアスピリンシロスタゾールとアスピリン単独の有効性と安全性を比較するCHATARSISCilostazol-Aspirin Therapy Against Recurrent Stroke with Intracranial Artery Stenosis)試験が、わが国で進行中である。同研究グループの代表である東京女子医科大学神経内科教授の内山真一郎氏(写真)は、米ロサンゼルスで開催された国際脳卒中学会(ISC2011)で、CHATARSIS試験の対象症例の特徴などを報告した。

 IASは、欧米人に比べてアジア人に多いとされ、その治療が課題となっている。米国で行われたWASID(Warfarin‐Aspirin Symptomatic Intracranial Disease)試験の結果では、ワルファリンは安全性に問題があり、アスピリンは十分な脳卒中再発予防効果が得られていない。そこで、アスピリン+シロスタゾールとアスピリン単独の有効性と安全性を明らかにするため、CHATARSIS試験が実施された。

 昨年発表されたCSPS 2(Cilostazol Stroke Prevention Study 2)の結果、非心原性脳梗塞症例における脳卒中予防効果は、アスピリンに比してシロスタゾールで有意に高く、出血は有意に少ないことが示されている。

 今回のCHATARSISでは、IASを伴う脳卒中症例において、IASの進行、虚血性イベント、出血イベント、無症候性脳梗塞、日常生活動作(ADL)などに対するアスピリン+シロスタゾールとアスピリン単独の効果を比較。その結果は、有効性の高い薬物療法の確立に役立つとともに、将来、症候性IAS症例に対する薬物療法単独と血管内治療の効果を、臨床試験によって比較する場合の基礎データになると考えられている。

 同試験の対象は、発症後2週間~6カ月が過ぎた45~85歳の脳梗塞症例で、責任病変とし頭蓋内内頸動脈、中大脳動脈M1、あるいは脳底動脈に50%を超えるIASがMRAで確認された200例である。

 これらの症例を、アスピリン+シロスタゾール併用群とアスピリン単独群に無作為割り付けし、比較検討する。症例登録は2006年4月1日~2010年3月31日までの間に行われた。

 主要評価項目は、2年の観察期間におけるIASの進行度合い(MRAによる評価)とされ、狭窄度は正常、軽度、中等度、重度、閉塞の5段階に分けられ、1段階以上の変化があった場合に進行あるいは改善と設定されている。

 副次的評価項目は、心血管イベント(脳梗塞、心筋梗塞、その他の血管イベント)、死亡、出血イベントを含む重篤な有害事象、新規の無症候性脳梗塞の発生率、2年の観察期間におけるADLの変化、とされた。さらに、サブスタディとして、試験開始時と1年後に、炎症マーカー(hs-CRP、ICAM-1、MCP-1、CD40L)と内皮傷害マーカー(vWF抗体、トロンボモデュリン、PAI-1、E-セレクチン)の測定が行われる。

 実際に登録されたのは、国内の脳卒中センター60施設の165例で、男性が109例、平均年齢は68歳。発症から登録までの期間は平均30日、梗塞の径は70例(42.4%)で1.5cm以上だった。責任病変の部位は、皮質57例(34.5%)、白質57例(34.5%)、基底核33例(20.0%)、脳幹13例(7.9%)。狭窄部位は、中大脳動脈M1が128例(77.6%)と圧倒的に多く、頭蓋内内頸動脈19例(11.5%)、脳底動脈18例(10.9%)だった。

 リスクファクター保有の状況は、高血圧75.8%、高コレステロール血症53.9%、糖尿病37.0%、肥満(BMI≧25)32.7%、CKD(eGFR<60mL/min/1.73m2)28.5%、喫煙21.8%。さらに、リスクファクター未治療症例の割合は、糖尿病75.2%、高コレステロール血症57.6%、高血圧35.8%だった(表1)。

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